1・2・3歳のためのおうちの中での事故防止術
転倒・転落
幼児期のケガの原因で一番多いのは転倒です。大きなケガにならないよう身近なところにも対策を。
いすやテーブルから落ちる

子ども用のハイチェアは一般的ないすより高く、座面や付属テーブルに立つと1m以上の高さになります。その状態から落ちると、体が回転する力も加わり、頭の骨が折れることもあります。
【予防策】
面倒でもベルトを装着することが一番の予防です。食事中は誤飲の危険もあるので、そばを離れず見守りましょう。
ベランダ・窓から落ちる
幅広い年代で発生します。命に関わる重大なケガにつながる恐れがあるので十分な予防策を講じましょう。
【予防策】
植木鉢やいすなど踏み台になるものをベランダや窓付近に置かないこと。子どもの手の届かない位置に補助錠をつけましょう。ベランダは危険であることをしっかり伝え、子どもだけで出ないように注意を!
誤飲・窒息
乳幼児による誤飲の多くは、高さ1m未満の場所にものが置かれた場合に起きており、1.5m以上の場合ほとんど起きないことがわかっています。
透明フィルムなどの誤飲
飴の小袋やお菓子の箱の包装などに使われる透明フィルムは、喉に貼りつき、気道を塞ぐ恐れがあります。
【予防策】
包装フィルムは手が届かないところに捨てましょう。ゴミ箱も、子どもの手が届かない場所に置くことを忘れずに。フィルム素材のシールで遊ぶときはそばにいて目を離さないようにしましょう。
おもちゃの誤飲

4cm(トイレットペーパーの芯と同じサイズ)以下のおもちゃは、年齢に関わらず口に入ってしまう可能性があり、窒息の原因になります。
【予防策】
おもちゃで遊ぶ際は対象年齢を守りましょう。対象年齢が高いおもちゃは小さい部品が含まれているので、きょうだいがいる場合は注意しましょう!
危険なものの誤飲
大人にとっては身近なものでも、子どもが誤飲すると重傷事故につながる場合があります。手が届かない、見えないところに保管しましょう。
【注意ポイント】
・タバコ
中毒症状を起こし、重篤な場合は呼吸困難や全身の痙攣(けいれん)、呼吸停止を起こすこともあります。水に溶けると吸収されやすくなるので、水を飲ませないこと!
・薬
1錠でも死に至らせる薬があります。下記の薬の扱いは特に注意しましょう。
血糖降下薬/Ca拮抗薬/三環系抗うつ薬/抗精神薬/オピオイド/ロペラミド/血管収縮薬(α作動薬)入り点鼻薬/外用消炎剤 (サリチル酸)
・ボタン形・コイン形電池
特に、直径1.5cm以上のものは食道に引っかかったり、胃の中に長くとどまって水酸化ナトリウムが発生し、組織に穴を開ける恐れがあります。
・洗剤
台所用漂白剤、トイレ用の塩素系洗剤の原液を飲んだ場合はすぐに受診。それ以外はコップ1~2杯程度の牛乳または水を飲ませ、様子がおかしいと思ったら受診を。
※複数の磁石、吸水ボールなどにも注意が必要です。
食べ物による窒息
丸くてつるっとしたもの(ミニトマトなど)、弾力があるもの(こんにゃくなど)、硬くて噛み切りにくいもの(リンゴなど)、粘着性が高いもの(餅など)は、吸い込みによって窒息を起こす原因になります。
【予防策】
1cm角程度まで小さく切って与え、食事中はそばで見守りを。合間に適宜水分補給をさせましょう。食品を口に入れたまま遊んだり、話したり、寝転んだりしないこと。また、泣いているときに食べさせるのも危険です。
ひもによる窒息

ブラインドやカーテン、ロールスクリーンなどのひもに首がひっかかって窒息する事故が起きています。
【予防策】
長いひもは子どもの手が届かないところにクリップなどを使ってまとめましょう。また、踏み台になるものをひもの近くに置かないこと。
溺水
溺水(できすい)事故は、ほんの少し目を離した瞬間に、わずかな水深でも起きてしまいます。入院が必要と診断された事故は半数以上で、死亡事故も発生しています。
入浴時に溺れる

子どもは声や音を出さず静かに溺れます。浮き輪を使用中に溺れる事故も発生しています。入浴中の溺水事故が最も多い年齢は0~1歳です。
【予防策】
大人が洗髪する際は子どもを浴槽から出すこと。お風呂から上がる際には子どもを先に出しましょう。子どもだけで入浴させないこと。
浴槽へ転落する
浴槽をのぞき込んだ子どもが転落し、溺れることがあります。幼児は頭が大きいので、前傾になると簡単に前に落ちてしまうのです。
【予防策】
子どもが幼いうちは使用後の浴槽の水を抜く習慣を。可能であれば浴室に外鍵をつけて子どもが入れないようにしましょう。
やけど
子どもは皮膚が薄いため、やけどが大人よりも深くなりやすく、低温やけどでも皮膚の深部まで進行することがあります。
食べ物でやけど
テーブルなどに置かれた、熱い食べ物や飲み物をこぼしてやけどを負う事故が多く報告されています。熱い液体を被ると広範囲で深いやけどになり重症化する恐れがあります。
【予防策】
子どもの手が届かないよう、高温のものはテーブルの真ん中に置きましょう。テーブルクロスやランチョンマットは子どもが引っ張ってしまう恐れがあるので使わないこと。
家電製品でやけど

電気炊飯器、電気ケトル、加湿器などの家電から出る蒸気に触れたやけどの場合、重症化する恐れがあります。電気ケトルのコードをひっかけ、熱湯を浴びてやけどをすることも。
【予防策】
熱を持つ家電はコードも含めて子どもの手の届かないところに設置を。加湿器は吹き出し口が高温にならないタイプのものを選びましょう。
挟む・切る
はさみやカッターで切る
はさみ・カッターだけでなく、洗面台や浴室にあるカミソリによるケガも発生しています。キッチンまわりの包丁やナイフも危険です。
【予防策】
使用後は子どもに見えない場所に保管を。まな板に包丁を置きっぱなしにしないこと。キッチンの収納扉にはチャイルドロックをつけるなど工夫しましょう。
ドアで手や指を挟む

ドアの開閉の際に指を挟む事故が多発しています。骨折や切断に至るなど、重傷のケースもあるので、注意が必要です。
【予防策】
ドアの開閉時に子どもが近くにいないか必ず確認を。ちょうつがいの部分には隙間防止カバーをつけるなどの対策をしましょう。
もしものときは!
意識や呼吸がない場合は、すぐに救急に通報しましょう。
① 119番に電話する
② 「火事ですか、救急ですか」と聞かれるので、「救急です」と返答する
③ 住所と子どもの症状を伝える
④ 応急処置の指示があったら落ち着いて対処する
★ 救急車を呼ぶか迷ったら「子ども医療電話相談事業」に電話して相談しましょう。
全国どこからでも #8000
★ 誤飲などで中毒事故が起きて対処に迷った場合は、(公財)日本中毒情報センターの「中毒110番」に電話して相談を!
・大阪中毒110番 電話072-727-2499(365日 24時間対応)
・ つくば中毒110番 電話029-852-9999(365日 24時間対応)
イラスト/さいとうあずみ デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/KANADEL
もっと教えて、先生!
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