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ココロとカラダはつながっている|子どものSOS処方箋

入園や進級などの環境の変化で、少しずつ疲れが出てくるこの時期。自分の思いを言葉でうまく伝えられず、不安な気持ちで過ごしている子どももいるのではないでしょうか。そんな子どものSOSサイン、また親ができる対処法について、専門家に聞きました。

お話を聞いたのは…

中井昭夫さん

武庫川女子大学教育総合研究所教授、同大学院臨床教育学研究科専攻長。医学博士。小児科専門医、子どものこころ専門医、公認心理師、臨床発達心理士。専門は発達行動小児科学、小児精神神経科学、子どものこころ、発達脳科学。

気持ちを言葉にできず 無意識にストレスが蓄積

ストレスを受けた時、大人の場合は誰かに相談をする、好きなことをしてリフレッシュするなどで、ある程度発散することができます。一方、子どもの場合はそういった技を身に付けておらず、無意識のうちにストレスが積もってしまいがち。そしてそれはさまざまな「ストレスサイン」として表面化します。

両極端の症状が出るのも ストレスサインの特徴

子どもが示す「ストレスサイン」は、下記の5つに多く現れます。食欲が出過ぎたり・なくなったり、怒りっぽくなったり・すぐ泣いたりなど、両極端の症状が出ることがあるのも「ストレスサイン」の特徴です。

数日で収まるのであればさほど心配ではないのですが、続くようであれば注意が必要です。ストレスサインの症状の多くは、「幸せホルモン」とも呼ばれる、脳内の神経伝達物質・セロトニンが低下することで現れます。セロトニンの低下とうつ病には関わりがあると言われています。周囲の大人が早めに気付いてあげて、適切な対処をすることが大切です。

食欲に関わるサイン


● 食欲がなくなる
● 特に甘いものや炭水化物を食べ過ぎる
● 吐き気がある
● 体重が増えない・減った
● 体重が急激に増えた・太った

睡眠に関わるサイン


● なかなか寝つけない
● 途中で目が覚める
● 早く起き過ぎる
● 朝起きられない
● 寝過ぎる
● 怖い夢を見る

感情に関わるサイン


● イライラする
● 怒りっぽい
● 当たり散らす
● 落ち着きがない
● 焦っている
● 忘れっぽい
● すぐに泣く
● 感情の起伏が激しい
● ぼんやりしている

体に関わるサイン


● 頭・おなかなどの痛みを訴える
● おなかの調子が悪い
● おねしょがぶり返す
● 昼間におもらしをする、トイレが近い
● めまいがある
● だるそう、元気がない
● 爪かみをするようになった
● チックが出る・悪化する
● すぐに横になる、表情に力がない
● アレルギー症状が悪化する
● 風邪を引きやすい・微熱が続く

行動に関わるサイン


● 甘えてくる、すり寄ってくる、赤ちゃん返り
● おしゃべりになる
● 口数が減る
● 同年齢の友だちを避ける、大人といたがる
● 一人でいることを怖がる
● 一人で過ごすようになる
● お絵かきが変わる(暗いモチーフや色遣いなど)
● 好きなおもちゃで遊ばなくなる
● 好きな遊びをしなくなる
● ストレスに関係するような遊びを繰り返す
● 朝は元気がなく、夕方から元気になる

イラスト/ひしだようこ


子どものSOSへの対応方法はコチラから

ライター

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&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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