家族みんなが笑顔になるパパと子どもの密時間
いつも仕事で忙しいパパが、休日に張り切って子どもとの時間を取ったのになかなかうまくいかない…なんてこと、ありますよね。そんなパパも、ちょっとのコツで子どもとのより密な時間が作れるかも。元保育士で父親の育児支援を研究している小崎恭弘先生に、話を聞きました。
イラスト/田仲由佳
日常を知った上でインパクトをプラスしよう
子育ては「量」と「質」が大切です。長い時間をかけて丁寧に子どもと向き合うのが理想ですが、まだまだ社会の傾向として、パパは仕事がメインになりがちですよね。そんなパパには、短い時間で「質」を高める工夫をしてほしいです。ポイントは“インパクト”。休日に、いろいろな場面で日常からちょっと外れた遊び心を盛り込むことを大事にすると良いでしょう。ママと同じようにできなくても大丈夫。むしろママと違うことが、子どもに多様性を教える良い機会になります。
一方で、それは“日常”を知っていることが大前提です。子どもはいつもと同じであることに安心します。インパクトを加えるとは、いつもの生活を知った上で、そこから少しだけ飛び出すことです。それには、普段の子どもを知るママとの連携が重要。ぜひ、子育てについて夫婦で話し合う癖を付けてほしいと思います。パパとママの相互理解を深めることが、家族の幸せにつながります。
パパと子どもが密時間を過ごすポイント
小崎先生が、パパに知ってほしい3つのポイントを紹介。
子どもと密時間を過ごすためには、ママの協力も不可欠です。ぜひパパ・ママ一緒に読んでください。
●1シーンではなく全体を見るべし!
例えば平日に子どもと接する機会の少ないパパが、休日に「さあ寝かし付けしよう」と思ってもうまくいきません。それは、全体像を把握せず局所的に子どもを見ているから。1日の流れやいつもの過ごし方など、まず子どもの普段の生活を知ることが大切です。そのためには、ママとの情報共有が必須。子育てについて、夫婦で作戦会議をする時間を設けましょう。どちらかの一方的な連絡ではなく、どう子どもを育てるか一緒に考えてみて。
また、園での時間も大事な日常。可能であれば園の参観日に子どもの様子を見たり、先生から話を聞いたりするのもいいですね。
ママへ
慌ただしい朝などに、パパへ要件だけ伝えていませんか? 真剣な話は、雰囲気作りも大切です。特に話し合いを避けがちなパパには、仕事から帰るころに、部屋を片付け子どもを寝かせてスタンバイ。家の照明を少し落とし、帰ってきたパパに静かにゆっくり声を掛けてみて。いつもと違う様子に、驚いて話を聞くと思いますよ。
●ビジネススキルを子育てに生かせ!
仕事はバリバリやっているのに、家のことになると急に消極的…そんなパパもいますが、それではとてももったいない! 仕事で発揮しているビジネススキルは、子育てにも生かせます。子どもやママにやってほしいことをインタビューして“ニーズをリサーチ”、それをもとに“企画をプランニング”、“実践”した後は、感想を聞いて次の企画に生かしましょう。子どもやママからの“クレーム”は、より良いプランを作るための宝の山です。ちょっと視点を変えてみると、高いと思っていた子育てのハードルがぐっと下がりますよ。
ママへ
子育てには時間・経験が必要です。その機会がどうしても少ない傾向にあるパパ。時には「どうしてそんなことができないの」と思うこともあるかもしれませんが、新入社員を見るような気持ちで、気長に成長をサポートしてほしいです。もちろん甘えてばかりの新入社員には、ピシッと指導しましょう(笑)。
●不要な“家族ルール”は変更せよ!
子どもが「ママじゃなきゃヤダ!」と言い、パパも「僕じゃダメだ」とすぐママにバトンタッチしてしまう…。でも待って! 「ママじゃなきゃダメ」なんてことはありません。ママ・パパ・子どもで決めた“家族ルール”は、絶対に変えられます。次のページで紹介するような子どもと接するコツも参考にしながら、徐々に慣らしていきましょう。
なお、「ママは子どものことが全部分かる」と思っているパパもいますが、ママだって分からない中で試行錯誤しています。そんな夫婦の思い違いも、見直してみましょう。
ママへ
ママ自身も、「私でなければ」という思い込みはぜひ捨てて。パパに子どもを任せるときは、任せ切ってしまいましょう。部屋が散らかるなどは大目に見て、最初は「子どもが生きていればOK」くらいにハードルを下げ、だんだんとステップアップを。パパは困惑するかもしれませんが、困ってOK。経験を積むことが大切です。