家族みんなが笑顔になるパパと子どもの密時間

家族みんなが笑顔になるパパと子どもの密時間

いつも仕事で忙しいパパが、休日に張り切って子どもとの時間を取ったのになかなかうまくいかない…なんてこと、ありますよね。そんなパパも、ちょっとのコツで子どもとのより密な時間が作れるかも。元保育士で父親の育児支援を研究している小崎恭弘先生に、話を聞きました。

イラスト/田仲由佳

お話を聞いたのは…

小崎恭弘の画像

大阪教育大学教育学部 教授

小崎恭弘

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

日常を知った上でインパクトをプラスしよう

子育ては「量」と「質」が大切です。長い時間をかけて丁寧に子どもと向き合うのが理想ですが、まだまだ社会の傾向として、パパは仕事がメインになりがちですよね。そんなパパには、短い時間で「質」を高める工夫をしてほしいです。ポイントは“インパクト”。休日に、いろいろな場面で日常からちょっと外れた遊び心を盛り込むことを大事にすると良いでしょう。ママと同じようにできなくても大丈夫。むしろママと違うことが、子どもに多様性を教える良い機会になります。

 一方で、それは“日常”を知っていることが大前提です。子どもはいつもと同じであることに安心します。インパクトを加えるとは、いつもの生活を知った上で、そこから少しだけ飛び出すことです。それには、普段の子どもを知るママとの連携が重要。ぜひ、子育てについて夫婦で話し合う癖を付けてほしいと思います。パパとママの相互理解を深めることが、家族の幸せにつながります。

パパと子どもが密時間を過ごすポイント

小崎先生が、パパに知ってほしい3つのポイントを紹介。
子どもと密時間を過ごすためには、ママの協力も不可欠です。ぜひパパ・ママ一緒に読んでください。

●1シーンではなく全体を見るべし!

例えば平日に子どもと接する機会の少ないパパが、休日に「さあ寝かし付けしよう」と思ってもうまくいきません。それは、全体像を把握せず局所的に子どもを見ているから。1日の流れやいつもの過ごし方など、まず子どもの普段の生活を知ることが大切です。そのためには、ママとの情報共有が必須。子育てについて、夫婦で作戦会議をする時間を設けましょう。どちらかの一方的な連絡ではなく、どう子どもを育てるか一緒に考えてみて。
また、園での時間も大事な日常。可能であれば園の参観日に子どもの様子を見たり、先生から話を聞いたりするのもいいですね。

ママへ

慌ただしい朝などに、パパへ要件だけ伝えていませんか? 真剣な話は、雰囲気作りも大切です。特に話し合いを避けがちなパパには、仕事から帰るころに、部屋を片付け子どもを寝かせてスタンバイ。家の照明を少し落とし、帰ってきたパパに静かにゆっくり声を掛けてみて。いつもと違う様子に、驚いて話を聞くと思いますよ。

●ビジネススキルを子育てに生かせ!

仕事はバリバリやっているのに、家のことになると急に消極的…そんなパパもいますが、それではとてももったいない! 仕事で発揮しているビジネススキルは、子育てにも生かせます。子どもやママにやってほしいことをインタビューして“ニーズをリサーチ”、それをもとに“企画をプランニング”、“実践”した後は、感想を聞いて次の企画に生かしましょう。子どもやママからの“クレーム”は、より良いプランを作るための宝の山です。ちょっと視点を変えてみると、高いと思っていた子育てのハードルがぐっと下がりますよ。

ママへ

子育てには時間・経験が必要です。その機会がどうしても少ない傾向にあるパパ。時には「どうしてそんなことができないの」と思うこともあるかもしれませんが、新入社員を見るような気持ちで、気長に成長をサポートしてほしいです。もちろん甘えてばかりの新入社員には、ピシッと指導しましょう(笑)。

●不要な“家族ルール”は変更せよ!

子どもが「ママじゃなきゃヤダ!」と言い、パパも「僕じゃダメだ」とすぐママにバトンタッチしてしまう…。でも待って! 「ママじゃなきゃダメ」なんてことはありません。ママ・パパ・子どもで決めた“家族ルール”は、絶対に変えられます。次のページで紹介するような子どもと接するコツも参考にしながら、徐々に慣らしていきましょう。

なお、「ママは子どものことが全部分かる」と思っているパパもいますが、ママだって分からない中で試行錯誤しています。そんな夫婦の思い違いも、見直してみましょう。

ママへ

ママ自身も、「私でなければ」という思い込みはぜひ捨てて。パパに子どもを任せるときは、任せ切ってしまいましょう。部屋が散らかるなどは大目に見て、最初は「子どもが生きていればOK」くらいにハードルを下げ、だんだんとステップアップを。パパは困惑するかもしれませんが、困ってOK。経験を積むことが大切です。

ライター

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&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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