睡眠の専門医が教える考えすぎない「子どもの睡眠」

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睡眠の専門医が教える考えすぎない「子どもの睡眠」

生活の多くの時間を占める「睡眠」。幼児期に気を付けるポイントは?
小児科医で睡眠の専門医である神山潤先生に聞きました。

イラスト/杉浦さやか

先生教えて! 子どもの睡眠の悩みQ&A

ママから寄せられた子どもやママ自身の睡眠の悩みについて、神山先生に聞きました。

寝かし付け

Q. 一人で寝られず、「お母さんと一緒がいい」といつまでも言われます [年中のママ]

A. 安心感が子どもの発達を支えます 「今のうちだけ」と楽しんで

子どもたちの発達を支えるのは安心感です。お子さんが一緒に寝たいというのも安心感を求めてに違いありません。一緒がいいと言ってくれる時期は長くはないと思います。「今のうちだけ」とママのできる範囲で応えてあげて。

Q. 特定の毛布でないと寝られません。やめさせるべき? [年中のママ]

A. 子どもにとっての睡眠ルーティンです

全く問題ないと思います。毛布のほかに、お気に入りのぬいぐるみを抱えて一緒に寝る子もいますが、これはお子さんにとって快適な睡眠へのルーティンと思ってください。無理にやめさせる必要はありません。

Q. 寝る前に絵本を見せています。意味はありますか? [年中のママ]

A. 親の生の声を交えることが大切

ただ絵本を見せるだけでなく、ぜひ読み聞かせをしてください。決まりきったDVDの音とは違って毎日同じようで微妙に違う親御さんの読み聞かせはお子さんの脳に大切な刺激となるに違いありません。寝る前の日課として大切にしてみては?

睡眠の質

Q. ときどき夜中にトイレで起きてきます。熟睡できているのか心配です[年長のママ]

A. 夜中に起きても翌朝元気なら問題なし

睡眠中に5〜6回目覚めるのはごくごく自然なことです。翌朝に眠そうにしていなければ熟睡できていると思って問題ありません。

Q. 寝返りですぐ布団が外れてしまいます。自分でかけ直せないのですが大丈夫でしょうか? [年少のママ]

A. 自然と布団に潜るので大丈夫です

寒くなればまた自然と布団に潜っていきます。布団が外れたときに備えてあらかじめ室温を上げるのは要注意。暑くて布団の中で汗をかいてしまうこともあるので、様子を見て調整しましょう。

Q. いくら寝ても眠そうで、年長でもたまに昼寝をします。どうしてこんなに眠るのでしょう? [年長のママ]

A. 夜の睡眠が不十分か、必要な睡眠時間が長い子です

夜の睡眠が足りていない可能性があるので、前ページを参考に生活を見直してみましょう。それでも昼寝をする場合は、必要な睡眠時間が長いお子さんなんでしょう。

Q. 歯ぎしりしているのが気になります[年中のママ]

A. 歯ぎしりは誰でもするものです

歯ぎしりは誰でもするものです。その原因は正確には分かっていません。歯がすり減ったり欠けたりしない限りは放っておいて大丈夫です。不安な場合は、定期検診の際などに歯医者に相談してみましょう。

Q. ときどきいびきがうるさく、心配です[年中のママ]

A. いつもいびきをかくようなら様子を観察して小児科へ

ときどきなら問題ありません。いつもいびきをかいていて、呼吸で胸をへこませていたり息を止めていたりするようなら小児科に相談しましょう。その際、いびきをしている動画を撮影して持っていくといいでしょう。

Q. 寝相が悪いです。気が付くと枕と逆向きに寝ています[年中のママ]

A. 子どもの方が大人よりも多く寝返りするため

私たちは誰しも、寝ている間に寝返りを打ち動いているものです。大人よりも子どもの方が1時間の間に多く体を動かしているので気になるだけです。年齢とともに寝返りは少なくなっていきます。

添い寝ママの半数がちゃんと眠れていない…

睡眠は効率化できません、夜は寝ましょう

添い寝をしているママの半数が、睡眠に不満を持っています。中でも多かったのは「添い寝のまま寝てしまい、深夜に起きて家事をするので寝不足」。神山先生に解決策を聞くと「そのまま寝て、家事は朝にするのが一番」とのこと。「効率のために家事をやっておきたいところでしょうけれども、睡眠は効率化できません。人間は動物です。夜行性ではないので夜は眠らないとリズムが崩れます。先にお話した睡眠の4つのポイントは大人も同じこと。そして、親御さんが先に寝るとお子さんに率先して早寝の見本を示すことにもなりますよ」。やり残した家事は早起きしてやる!と割り切って、早寝するのも一案かもしれませんね。

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