女の子のデリケートゾーンケアってどうするの?助産師が教える“おうち性教育”【幼児期女の子編】

女の子のデリケートゾーンケアってどうするの?助産師が教える“おうち性教育”【幼児期女の子編】

“おうち性教育”という言葉を知っていますか?おうち性教育とは、お子さんがまだ幼い頃から積極的に性に関する教育に取り組むこと。幼少期から性教育に触れることで、子どもたちが自らの心と身体を守る術(すべ)を身につけることに役立ちます。
助産師の石嶺みきさんによるおうち性教育のコラム、今回のテーマは「幼児期の女の子」のデリケートゾーンケアについて、紹介します。

デリケートゾーンの洗い方、いつ教える?

乳幼児期は保護者がお子さんのデリケートゾーンを洗うことが多いですよね。お子さんにデリケートゾーンの洗い方を教えるタイミングは、自分で身体を洗えたり、一人でトイレに行って自分でおしっこを拭けたりするようになった頃が良いと思います。女の子の場合、まず、身体を洗う練習から始め、「おまたも洗ってみようか」、「とても大切な場所なのよ」と徐々にデリケートゾーンを意識させるように促してみましょう。

そのためにも、女の子のデリケートゾーンはどういう仕組みになっているのか、どうやって洗ってあげたらいいのか、それを人生の先輩である皆さんが正しく理解して、わが子へ教えてあげることができたら、きっとお子さんのデリケートゾーンケアは習慣化できるようになりますよ。

ここが気になる!デリケートゾーンケア、どうすればいい?

乳児期の女の子の性器には、皮膚の垢のようなものが残っていることがあります。これは胎脂(※)といって、性器の粘膜を守る役割があるため、無理にこすって落とす必要はなく、シャワーなどで洗い流す程度で構いません。

※胎脂:生まれてすぐの赤ちゃんの皮膚についている白い脂で、寒さや細菌などから赤ちゃんの肌を保護する役割があります

洗うソープは?

「子どものデリケートゾーンにはどんな商品がいいの?」という質問をよくいただきます。子どものデリケートゾーンを洗うのは、体と同じ弱酸性のベビーソープ、または子どもも使えるデリケートゾーンケア専用ソープがいいですね。こすらずに洗うことが大切なので、“泡で出るソープ”が手軽でおすすめです。

泡のソープがおすすめ!

保湿はしたほうがいい?

「デリケートゾーンも保湿はしたほうがいいの?」という質問に関しては、肌が乾燥しやすい冬場は、顔や身体を保湿するのと同様に、デリケートゾーンも保湿してあげてください。肌が乾燥しやすい子は、1年を通して季節に合った保湿剤を塗ってあげてくださいと指導しています。

【幼児期の女の子のデリケートゾーンケアのポイント】

・べビーソープやデリケートゾーン専用のソープを使う

・そっと優しく、指の腹で丁寧に洗う

・小陰唇の内側に汚れが溜まっていたら、ゴシゴシこすらないように優しく洗う

・ぬるま湯ですすぎ残しがないように丁寧に洗い流す

お風呂タイムはおうち性教育のチャンス!

家庭によってお風呂の習慣は異なりますが、お子さんと一緒に入浴する家庭では、お子さんとのお風呂タイムが親子で性について話をするきっかけになると思います。パパやママがお子さんに身体の部分の名称やデリケートゾーンの洗い方などを自然とさりげなく教えるチャンスですよ。

次回は、「幼児期におすすめの“性の絵本”」について、お伝えします

こちらもチェック!:「ぞうちんとぱんつのくに」原作・監修:石嶺みき、イラスト:ゆままま(KADOKAWA)

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子どもの健康・発達

助産師・看護師・栄養士 石嶺みき

助産師、看護師、栄養士。ミキズハウス助産院院長。株式会社FM BIRD所属。不妊治療中に献身的に励ましてくれた助産師に強い憧れを抱き、出産後に看護学校に進学。助産師専攻科を経て助産師資格を取得。卒業後は大学病院産婦人科外来・病棟に勤務し多くの出産に立ち会う。
その後、保健センター勤務に転じ、産後のメンタルサポートや妊娠SOS相談窓口、新生児訪問、乳幼児健康診査なども行う中で、フェムケア教育の普及活動を思い立ち独立。一般の方だけでなく、看護学校の教員や助産師、看護師などを対象とした講習会などを開講。現在は“全ての世代に、泌尿生殖器ケアを通して幸せになってもらいたい”という信念のもと、「フェムケア」「おちんちんケア(オムケア)」「思春期性教育」をはじめとする講演を広く行うなど、積極的に活動中。
今年4月出版「ぞうちんとぱんつのくに」原作・監修(KADOKAWA)

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