「うち、近頃すれ違っているな」と思ったら 家族会議のすすめ
近年、ちらほらと聞くようになった「家族会議」という言葉。
読者アンケートで聞いたところ、すでに2割の人が実施していることが分かりました。
「楽しい家族」でいるための家族会議、あなたも早速始めませんか?
イラスト/杉浦さやか
初めての家族会議 Q & A
「家族会議をやってみたい」と思っても、いったいどうやったらいいの? 山本さんに始め方を聞きました。
Q.どんな議題がいい?
A.「楽しく話し合えること」を選びましょう
どんな議題でも良いのですが、初期は「楽しく話し合えること」を選んで。重い話題で言い争いになったり、沈黙が多かったりすると、家族会議そのものがネガティブな印象になってしまいます。「今月の休日の予定を考えよう」「家の模様替えのアイデアを出し合おう」など、みんながワイワイ意見を言える議題がいいですね。「今月、家族や自分がチャレンジすること」を話すのもおすすめ。
「家族会議で楽しく話し合うこと」に慣れたら、教育や人生設計といった難しい議題にしても、楽しく話し合えるでしょう。
Q.実施の頻度や1回あたりの時間は?
A.月1回、1時間以内で定例化がおすすめ
まずは月1回で始めてみてください。会社の定例会議のように、「第4日曜の夕食後」など、あらかじめスケジュールを決めておくと良いでしょう。
1回あたりの時間は子どもの年齢や集中力により、4〜5歳なら45分〜1時間、3歳なら30分が目安。家族の状況に合わせて、継続しやすいスタイルに調整していきましょう。
Q.乗り気じゃないパパの誘い方は?
A.「必要性」を理解してもらうのがコツです
ママから急に「家族会議したいんだけど」と言われたら、「文句や愚痴を言われそうでイヤだな」「面倒くさいことを言われるのかな」と警戒するパパもいるでしょう。男性は「必要性を理解できないとやらないが、理解できればやる」という傾向があるので、前ページで紹介した概要やメリットを伝えてみてください。
また、開催日時はパパの都合も聞いてから決定を。疲れているときは前向きな話し合いが難しいので、心身ともにリラックスできるタイミングにしましょう。
Q.どこでやるといい? 用意するものは?
A.テーブルを囲んで着席おいしいお菓子も用意
家族といえども「会議」なので、テーブルを囲んで着席しましょう。話し合ったことを記録する議事録も作成してください。
ただ、気持ちがリラックスしている方が会話が弾むので、好物のお菓子やおつまみ、飲み物を用意するのは◎。「家族会議のときだけの特別なお菓子」があると、みんなウキウキするはずです。
Q.ケンカにならずに対話するには?
A.「傾聴」と「ユーモア」をいつも忘れずに!
日頃の不満が溜まっていると、ここぞとばかりにパパにぶつけたくなるかもしれません。でも、感情的に責め立てると、問題が解決しないどころか、夫婦や親子の距離がさらに広がってしまうこともあります。不満の先にある「解決策」に焦点を当てて話すようにしましょう。
けんかを予防するために重要なコミュニケーションスキルは、「傾聴」と「ユーモア」です。互いに相手の言い分を傾聴し、気持ちを尊重しましょう。また、自分の中の「ユーモアスイッチ」をオンにして、意識的にユーモアを交えて話してみてくださいね。
Check! 話し方のルール
家族会議は、誰もが心置きなく発言できる場であることが大切。みんながイヤな気持ちにならないためのルールを紙に書き、テーブルの上に置いておくと意識して話すことができるでしょう。以下はルールの例です。
1.会議の冒頭に、前月のねぎらいを
家族会議の冒頭では前月のねぎらいや振り返りをしましょう。「◯◯が大変だったね。ありがとう」など、感謝の言葉から始めると和やかムードに。
2.相手の意見を傾聴する
反対意見があっても、相手が話している途中で遮るのはダメ。最後まで聞いて、まずは「◯◯って思っているんだね」と受け止めましょう。
3.ユーモアを忘れない
シビアな話でもユーモアを心掛け、明るく話すようにしましょう。怒りもストレートに伝えるより、冗談を交えたほうが受け入れてもらいやすくなります。
4.批判でなく問いかけで返す
意見を批判された人は安心して話せなくなります。批判はせずに「じゃあ、どうすればいいかな?」と解決に向かう問いかけを。
5.イヤな言い方をしてしまったら謝る
もしも相手を不愉快にさせる言い方をしてしまったら、すぐに「ごめんなさい」を。子どもの良いお手本になることができます。
Let’s try! 議事録を作って貼ろう
家族会議の議事録を作ったら、みんなの目に留まるところに貼っておきましょう。この議事録は、次回の家族会議で振り返りを行うときにも使います。