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「白湯」が身体にいいのはなぜ?お茶ではダメなワケ
「白湯が身体にいい」と耳にすることが増えました。「寒い時期の水分補給に」「美容やダイエットにもいいみたい」と飲んでいる人も多いのでは? 腸活を日々心掛けるヨガインストラクターで美腸アドバイザーの私は一年中、毎朝コップ1杯の白湯を飲んでいます。
今回は「白湯」を深く掘り下げて、どうして身体にいいのか、お茶との違い、腸にどう作用するのかなどを解説したいと思います。
私が体感している白湯の力
約10年前、私は内側からキンキンに冷える自覚のある内臓型冷え性でした。下腹を触るとひやっとして、寝起きの布団のなかでもお腹が冷えた感じがあり、疲れやすくしょっちゅう風邪をひいていました。その状態から白湯を飲むようになったのですが、飲むごとに内側から温まる実感がありました。それをほぼ毎日続けることで、朝のおなかの不快感が少しずつ軽くなっていったのです。
10年続けた今では、病気知らずで生理痛も軽くなり、目のまわりの乾燥もなくなった体感があります。
白湯がいいと言われる由来
「白湯がいい」と言われているのは、インドの伝統医学である「アーユルヴェーダ」からきています。アーユルヴェーダでは、人の身体も自然界と同じように「水」「火」「風」の要素で成り立っていると考えられています。カパと呼ばれる水の質は「滋養や安定」を、ピッタと呼ばれる火の質は「熱」を、ヴァータと呼ばれる風の質は「動き」を生み出します。
白湯は「水の質」をもち、それを熱することで「火の質」が加わり、沸騰するときにポコポコと気泡が生まれて「風の質」もプラスされることから、「水」「火」「風」の全要素を満たした飲み物とされているのです。それを身体に取り入れることで、生命活動がしやすいバランスの整った状態になると考えられています。
白湯はなぜ身体にいいの?
生活習慣やストレスによって、身体が冷えがちな私達。冷えにより、血流が悪くなります。血流が悪いと全身に酸素や栄養素の運搬が滞り、代謝の低下につながります。また腸の動きが悪くなるので、消化や排せつのサイクルが乱れ、自律神経やホルモンのバランスも崩れます。結果、血流がますます悪くなっていくわけです。まさに冷えは万病のもと。それを改善に導くのが白湯です。
「人は24時間単位の体温リズムを持っていて、1日のうちでは早朝がもっとも低く、しだいに上がり、夕方がもっとも高くなって、夜になると下がり始める」(テルモ体温研究所)ということから考えると、もっとも体温の低い朝起きたときに白湯を飲むことで、身体の内側から緩やかに温まり、体温が上がることで、血流がよくなり、腸もスムーズに活動できるのです。
白湯の腸への影響は?
新型コロナウイルスの感染拡大によって、「免疫力」について関心が高まっています。免疫とは、ウイルス、細菌、カビなど、私たちにとって有害となる物質や病原菌を排除し、身体を正常な状態に保つための防御システム。その免疫力に大きくかかわっているのが「小腸」です。
朝イチのうがいや舌みがきのあと、白湯を飲んで身体を温めることで、「これから食事が始まるよ」と腸にサインを送ります。突然どかっと食事が運ばれるのと違い、胃腸が緩やかに動く準備をすることができます。ベストな時間は、白湯を飲んで30分くらいしてお腹の準備ができてからの食事。おなかがゆっくりと目覚めて活動しやすいんです。また、就寝の1時間くらい前に摂るのもおすすめです。真夜中は副交感神経が活発になり、腸も活発に働く時間です。その腸は幸せホルモンの生成分泌にも関わっています。冷え対策だけでなく、内臓のリラックスが脳もリラックスさせてくれる効果が期待できます。
お茶ではダメなの?
温かな水分補給が大事ならば、日本茶やコーヒー、紅茶ではダメなの?という声をよく耳にします。それぞれに含まれるカテキンやカフェイン、ポリフェノールなどの良さもありますが、白湯を飲むのは、内臓を休ませてあげたり、ゆっくりあたためて、働きをよくしたりするのが目的です。他の成分が入っていると、内臓がそれらを代謝しようと働いてしまいます。「胃腸に負担をかけない」という意味でも白湯に軍配が上がります。
白湯を飲むベストタイミングとされる朝の寝起きや就寝前は白湯を飲み、日中はほかの飲み物を飲むなどメリハリをつけるのもいいですね。
白湯の作り方
1.水を鍋やヤカンで火にかける
2.沸騰するまではフタをして加熱する
3.沸騰したらフタを取り、泡がぶくぶく立つくらいの火加減で10~15分加熱する
4.飲める程度に冷ましてから飲む
アーユルヴェーダ式では、水を一度沸騰させるのがポイントで、沸騰させることで塩素など不純物を取り除きます。できれば、コンロでぶくぶくと沸騰させるのがいいとされますが、ポットで沸かしたものやウォーターサーバーのお湯でもOK。気軽にできる範囲でスタートしてみましょう。
毎日続けていくコツや注意点
便秘の人は、白湯でお腹を温めてあげると胃腸の調子が戻りやすく、スムーズな排せつが期待できます。
白湯が苦手な方は、ひと工夫してみましょう。例えばレモンや昆布を入れるだけでも飲みやすくなります。ビタミンやミネラルを一緒に摂れるので便秘の人にもおすすめです。また、おなかがユルい人はほんの少し塩を加えてみるもの◎。
ちなみに私は寒い時期は、白湯と生姜漬け(生姜70g、黒酢140CC、蜂蜜大3で2日ほどたったもの)をあわせて飲んでいます。みなさんもぜひ毎日の生活に白湯を取り入れてみてくださいね。