【乳幼児睡眠のプロが解説】ねんねトレーニングのよくある失敗要因5選
成功体験の声もあれば、「1回やったけれど失敗してしまった」「やってみたけれど効果がなかった…」などの声もよく聞かれるねんねトレーニング。失敗につながるポイントについて、乳幼児睡眠コンサルタントが解説します。
ねんねトレーニングのよくある失敗5選
1.予告していない
「泣いているのを放置していると寝られるようになると聞いたから…」などといって思いつきで始めてしまうケースもあるのですが、これでは赤ちゃんはびっくりしてしまいます。
ある日突然ママが部屋から出て行ってしまうと「昨日まで抱っこで寝かしつけてくれていたのに!」「ママが寝室でトントンしてくれていたのに!いきなり放置されちゃった!」と驚いて大泣きしてしまうことがあります。
この方法でもうまくいくこともあるのですが、予告していないと気持ちが落ち着きづらいので、1週間ほど前を目安に予告をしっかりしてあげることをおすすめします。
言葉で言っても赤ちゃん相手に伝わらない!と思うかもしれませんが、毎日刷り込んでいくことで親が何かを伝えようとしていることは感づくことはできます。
日付をカウントダウンするのには視覚的に伝わるカレンダーを活用するのもおすすめです。
2.環境が整っていない
いくら「さぁネントレだ!」と言われても環境が整っていないと赤ちゃんはうまく寝つくことができません。環境を整えるポイントとして大事なのは、安全性・室温・光・音の要素です。
安全性
ベビーベッドが最も安全ですが、お布団の場合はベビーサークルでお布団を囲うのもおすすめ。もしくは部屋の中で落ちてくるものや口にいれてしまうようなものを排除して、どこで寝てもいいように布団を敷き詰めておくのもよいでしょう。
室温
暑すぎたり寒すぎたりしてもうまく寝つけない要因になります。室温や湿度を調整することも大事です。夏25〜27℃、春・秋20〜22℃、冬18〜20℃、湿度は40〜60%を目安に整えましょう。
光
豆電球がついていたり、街灯の明かりが窓から漏れているとその光に反応して覚醒してしまう可能性があります。遮光カーテンや足元ライトなどを活用して、光の刺激のない部屋作りをしましょう。
音
寝室がリビングの隣にあるなど音が伝わりやすい環境だと、テレビの音やママとパパの話し声などが寝つきを邪魔してしまう可能性があります。練習中はなるべく大きな物音や話し声は避けましょう。音の伝導を妨げる効果のあるホワイトノイズの活用も有効です。
3.日中十分寝かせない
昼に眠くさせておけば嫌でも寝るだろう!と思われるかもしれませんが、これはよくある勘違いです。
日中に寝過ぎてしまうと夜眠くなくなってしまって寝つけないことももちろんあるのですが、反対に睡眠がとれていなすぎて脳が理性を失いパニックになって寝つけなくなることも考えられます。
生後6カ月なのに4〜5時間起きている、10カ月なのに5〜6時間起きているなどは連続で長く起きすぎてパニックになっている可能性が高いので注意しましょう。
4.一貫性がない
もっともよく起こるのは「やっぱりやめとこうかな…」と心が折れてしまってやめてしまうことです。わが子の泣き声を聞き続けるのはつらく、やめたくなる気持ちはあると思いますが初日は数時間泣くこともあります(大前提、環境など整っていることは必ず確認してください)。
目安としては2週間、継続してみるようにしましょう。ただし、1週間たったタイミングで初日から何も変化がないようであれば、やり方があっていないか前提条件の見直しが必要なので立ち止まって考えるようにしましょう。
また、ねんねトレーニングの間は同じ人が寝かしつけを担当するのも安心材料として大事です。習得したら毎日代わる代わるになっても良いので、トレーニング期間中だけはパパかママ、どちらかに統一することをおすすめします。
ただし、日中も統一する必要はありません。夜に向けてコンディションを整えるためにも、昼寝はしっかり眠れる方法をとってあげてください。
5.家庭内で合意ができていない
泣き声が聞こえているときに、「それかわいそうなんじゃない?やめれば?」などと家族から言われると、頑張って保っていた理性が途切れてしまって揉め事になる可能性があります。
ねんねトレーニングを成功させるためには、事前に家族で合意し、一緒に手を取り合って見守れる状態を作っておくことが大事です。
もし親と同居している場合は世代間ギャップがあり、理解を得られない可能性があるので、事前によく説明をしておきましょう。