楽しく遊んで学びにつながる熱中体験をしよう!

楽しく遊んで学びにつながる熱中体験をしよう!

さまざまな体験を楽しむことで得られるワクワク・ドキドキする気持ちを大事にしたい。
そんな願いを込めて、「あんふぁん」2022年度のキャンペーンテーマは「みつけようワクワク、楽しもうドキドキ」 ~明日につながる夢中体験を~ に決定!
今回は、子どもの「熱中体験」のためにママ・パパができることを紹介します。

イラスト/田仲由佳

お話を聞いたのは

大宮明子先生の画像

大宮明子先生

十文字学園女子大学教育人文学部幼児教育学科教授。専門は発達心理学、認知心理学、思考と言語の発達。乳幼児期の親子の関わりについて長年研究している。「プレイフルラーニング『幼児の遊びと学び』プロジェクト」参画。

熱中体験はいいことがいっぱい!

遊びに熱中しているとき、子どもは実にいろいろなことを考えています。「もっと面白くするにはどうしたらいいかな?」「こうやってみたら、どうなる?」そんな工夫や試行錯誤をしているのです。何かに熱中しているときは、脳の中の扁桃体が活性化し、記憶をつかさどる海馬に影響を与え、やる気や記憶力が高まっていきます。
 そもそも熱中するのは、自分が好きなこと、自分が楽しいと思えること。この「自分が」というところが大切で、誰に言われたわけでもなく、自分で選んで取り組む体験が主体性を育てます。大宮先生が20年以上にわたって100組以上の親子が遊ぶ様子を観察してきた結果、何かに熱中しやすい子どもは自主性が伸びる傾向にあることが分かってきました。さらに、難関を突破した人たちの保護者に調査したところ、幼い頃に思い切り熱中して遊んでいた人が多いという研究結果もあります。
 好奇心や探究心、自ら取り組む意欲、集中力、考える力……。熱中体験は、まさに将来大切な学びの土台を作っていると言えます。

子どもにとっての遊びは学びの機会

 大人にとっての遊びは、息抜きや気晴らし。だからつい、子どもに「遊んでないで○○しなさい」と言いたくなることもありますね。ですが、大人にとっての遊びと、子どもにとっての遊びは、全くの別物です。子どもにとっての遊びとは、生活の一部であり、学びの機会。物の仕組み、体の使い方、人との関わり方など、子どもは遊びながらさまざまなことを学んでいます。
 大きくなれば勉強や仕事など、嫌でもしなければならないことが出てきます。しかし幼児期の今は、自分が好き、楽しいと思える遊びにたっぷり熱中できる貴重な時期。子どもが遊びに熱中している時は、「今、学びの土台が育っているんだな」という目で見てほしいですね。

熱中体験に必要な3つのサポート

【サポート1】刺激を減らして熱中できる環境を整える

熱中しやすい子とそうではない子の大きな違いは、おうちの環境にあります。子どもが遊ぶ場所に、しばらく使っていないおもちゃがあふれていませんか? そうすると、いろいろなおもちゃという刺激が気になって、目の前の遊びに熱中しづらくなります。また、子どもが遊んでいる近くでは、できるだけテレビをつけないようにしましょう。

【サポート2】「熱中サイン」を見つけたらそっとしておく

熱中と聞くと、子どもが楽しそうにしている様子を想像するかもしれませんが、必ずしもそうではありません。怒っているような表情でも、実は真剣に熱中している場合も。例えば、子どもが失敗しても諦めず同じことを繰り返したり、ご褒美がなくてもやりたがったりしているときは、熱中しているサインです。時間の許す限り取り組ませてあげましょう。

【サポート3】親が先回りせず子どもが主体になって遊ぶ

遊びには一つの正解があるわけではありません。絵本の読み聞かせをしている途中で、盛り上がってごっこ遊びに発展する。こんなふうに、子どもは熱中すると自分で遊びを広げていきます。そんなとき、大人が「それじゃうまくいかないよ」などと先回りして教えてばかりいると、子どもの好奇心や探究心の芽をつんでしまい、熱中する機会も奪ってしまいます。遊びは子ども主体で楽しみましょう。

ライター

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&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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