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ココロとカラダはつながっている|子どものSOS処方箋

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子どものSOSサインへの対応方法 ゆったりして過ごす「いつも通り」が一番

「子どものSOSサインかも!?」と気付いたら、保護者ができる対処法は?「いつも通りの安心できる環境で生活することが一番。また、日頃からそうすることは、ストレス耐性アップにもつながります」と話す中井先生。具体的に教えてもらいました。

【処方箋1】 “ストレッサー”を知る


ストレスの原因となる刺激や出来事のことを「ストレッサー」といいます。ストレッサーには非常に強いものから小さくても長く慢性的に続くもの、または複数のものが絡み合っている場合もあります。大人にとっては「うれしいこと」「楽しいこと」でも、子どもには、自分でも気が付かないうちにストレッサーになっていることも。まずはストレッサーを探り、もしそれを軽減できる場合は実行しましょう。

【処方箋2】生活リズムを整える


就寝・起床、食事の時間を決めて、規則正しい生活リズムで過ごすことを心がけてください。朝食をとり、日中明るいところで過ごし、体を動かすことでセロトニンの分泌が促され、それは心身の安定につながります。
また、セロトニンから睡眠に重要なメラトニンが作られます。休日もできるだけ同じ生活リズムを保ちましょう。ストレスへの耐性もアップします。

【処方箋3】普段からスキンシップを心がける


スキンシップをとることで、愛情ホルモンとも言われるオキシトシンが分泌され、それが精神的な安定につながります。
弟妹ができたことでスキンシップが減っているなと感じたときは、弟妹が寝ているときなどに精一杯本人に向き合い、スキンシップをとるように心がけてみましょう。

【処方箋4】ゆっくりと好きな遊びをさせる


普段通りの生活リズムの中で、工作やお絵描き、ブロック、料理、お菓子作りなど、ゆったり好きなことをさせてあげることも心の安定につながります。気分転換させようとレジャーに出かけたり、外食したりしがちですが、子どものエネルギーが落ちているときはかえって負担になるので要注意です。

《隠れた病気を見逃さないで》
症状が長く続く場合は、病気の可能性も考えましょう。イライラの原因がバセドウ病だったり、頭痛や吐き気が脳腫瘍(しゅよう)だったケースも。「きっとストレスだろう」とそのままにせず、小児科に相談してみましょう。

保護者の不安・悩みについてアドバイス

子どもが不安に感じている理由をなかなか言ってくれません。
(北海道/年長のママ)

年長さんなので、ママに心配をかけたくないので言わない、言いたくないと思っている場合もあるかもしれません。普段の何げない会話から出てくることもありますので、日頃のコミュニケーションを大事にしてみてください。

爪をかむ癖があり、親が指摘すると余計ストレスになってしまいそうで対応に困っています。
(東京都/年少・小学生のママ)

強く叱ると逆効果です。爪をかんでおらず、落ち着いているときに、「ツメの形が悪くなるよ」「バイ菌が体に入ってしまうよ」など、かんではいけない理由を話してあげてください。

子どものイライラに対して、つい大人気なくこちらもイライラして負のスパイラルに入ってしまうことが。どうしたら大人の対応ができるのでしょうか。
(東京都/年長・小学生のママ)


「ペアレント・トレーニング」でも使われている応用行動分析の手法を試してみてはいかがでしょう。子どもの行動を、①好ましい行動 ②好ましくないけどどうでもいい行動 ③絶対にしてはいけない行動、3つに分類します。
③の場合はすぐに止める必要がありますが、②の場合は、イライラが治まるまで少し待ったり、場合によっては①に移行できる手がかり(きっかけ)を出してみたりして、②から①ができたらすぐに褒めてあげるというものです。

父親の当たりが強く、それが子どもの成長に悪影響があるのではないかと不安です。
(東京都/年中・小学生のママ)


親が気分で怒っていると、子どもは怖がり不安になるだけです。大人の気分や感情で「怒る」のではなく、「ダメなこと」「悪いこと」「危ないこと」だという内容についてだけ「叱る」ようにしてあげてください。両親で話し合い、どちらか一方が叱るのであれば、もう一方はあとでフォローするなど役割分担することも大切です。


子どものストレスサインについてはコチラから

ライター

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&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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