「疲れた」と言えない子ども達、見逃しNGなサインと親ができること
感染症予防に気をつけたいこの時期、免疫力を低下させないためにも無理をせず過ごすことが大切ですよね。
今回は子ども達の疲れのサインや発散の仕方について、保育士をしていたころの経験からお伝えしていきます。
「疲れた」と言えない子ども達
この季節、疲れをため込んでしまう子どもはとても多いです。
季節の変わり目で気温差が激しく、体力が落ちる時期でもありますし、園の行事に向けての毎日の練習に一生懸命取り組む中でストレスを感じることもあります。さらに習い事をしている子は、大会や発表会や試験などに向けて緊張感が続いていることも。
でも子どもは大人と違って「疲れたから休む」という考えはありません。楽しいことが目の前にあると疲れを忘れて動き回ります。
その結果、いつもできていることができなくなったり、急に体調を崩してしまったりということがあります。
そうなる前に親が疲れのサインに気づいて、対応していけるといいですよね。
疲れのサインは「甘えや機嫌の悪さ」
保育士をしていたころ、日々子ども達の変化を感じ取り、疲れのサインを見逃さないよう心掛けていました。私が感じていた大きなサインは以下の2点です。
甘えが多くなる
子どもの疲れのサインで一番に感じていたのは、「甘え」が多くなることです。
いつも元気に友達と遊んでいる子が、保育士のそばから離れなかったり、抱っこを求めたり、いつもできていることを「やって」と言ってきたり。
「あれ?なんだか様子がいつもと違うな」と感じて保護者に聞いてみると、「前日遅くまでお出かけしていた」ということがよくありました。自宅でも、ママやパパに甘える回数が増えたら疲れのサインかもしれません。
機嫌が悪く怒りっぽい
またいつもより怒りっぽくなってしまうことも。友達がそばに来ただけで叩いてしまったり、おもちゃの貸し借りがスムーズにできなかったり。戸外遊びからなかなか帰れず「イヤだ!」と暴れてしまったり。
それはその子が急に悪い子になってしまったわけではありません。いけないことは頭で理解していても、疲れから気持ちの切り替えができなくなっている状態です。
自宅でも、癇癪をおこしたり、家族に対して怒りっぽくなった時は疲れのサインかもと考えてみてください。
子どもは「疲れた」と認めない場合も
ちなみにわが家の年長の娘は、疲れがたまっていると夕方グズグズして、「ママだっこ~」と言ってきます。なので「疲れちゃったのね」と抱っこしてあげるのですが、「違う!疲れてないもん!」と怒り出します(笑)。
本人は絶対に疲れたことを認めないのですが、そんな日は寝かしつけの時間がいつもの半分。すぐに眠りについて朝までぐっすり…。寝顔を見ながら「ほら、疲れてたでしょ」と思う私です。
このように子どもが疲れていることを認めなかったり、子ども自身が疲れを認識できていなかったりすることもあると覚えておきましょう。
子どもの疲れへの対応の仕方
疲れには「身体の疲れ」と「心の疲れ」の2種類あると感じています。
「身体の疲れ」はいつもより早く眠ること
ひとつ目は、身体の疲れ。
たくさん運動したり、出かけたり、気温の変化に対応したりと、体力的な疲れがたまっている場合はとにかく休むことが大切。
とはいえ、子どもはじっとしていられないので、運動やお出かけの途中で休憩させるのは難しいですよね。
子どもはいつもと違うことをしたり、違う場所に行くと、大人が思っている以上に体力を消耗します。疲れているなと感じたら、降園後や休日のおでかけを控えることを心がけましょう。また、いつもより早く布団に入るようにすることもポイント。ぐっすり眠ることで、体力が回復してくると思います。
「心の疲れ」は発散とスキンシップ
ふたつ目は心の疲れです。
行事の練習などで「自分のしたいことをガマンする」「みんなに合わせる」というのは、子どもにとってはとても疲れることなんです。
そんな時には、ストレスを発散する時間が必要です。外遊びで思いっきり身体を動かしたり、好きな遊びに没頭する時間を作ってあげましょう。
気の合う友達がいれば一緒に遊ぶのもいいのですが、疲れている時はぶつかりがちで、ケンカになってしまうことも。そうなるとまた「ガマン」の時間になってしまうので、親と一緒に、子ども自身が、自分の思うように自分のペースで遊べる方がいいと思います。
子どもがイライラしがちなときには、スキンシップもおすすめです。疲れてトゲトゲしている気持ちが、甘えが満たされることで穏やかになります。
ちょっとした時間に抱っこしたり、膝にのせたりするだけでもOK。子どもに「抱っこして」とせがまれる前に「抱っこしようか?」と親の方から声をかけると子どもにとってとてもうれしく満足度もUPします! くすぐり合いっこをする「こちょこちょ遊び」もいいですね。膝に乗せて絵本を読んであげるのも子どものホッとする時間です。
ママやパパも自分を労り、できることから
忙しいママやパパにとっては子どもの疲れのサインに気づいても、対応する時間がとれずもどかしく感じることもあると思います。
今回紹介した方法を、生活の中に取り入れる時間がとれないという人もいるかもしれません。けれど疲れのサインに気づいていることで、ふとした時間に対応することができると思います。なかなかじっくり手をかけられなくても、気にかけていることで子どもへかける言葉も変わってきますよね。また疲れのサインに気づいたら園の先生と情報共有しておくことも大切です。
ぜひ、各家庭でできることからやってみてくださいね!
子どもの疲れだけではなく、ママやパパも自分の心身を労わりながら、頑張り過ぎずにこの時期を過ごしていきましょう。