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「私の育て方が悪いのかな…」挨拶できない息子に悩む母を救った先生の言葉

「ごめんなさい、うちの子ちょっと恥ずかしがり屋で…」
先生やママ友に会うたび、私は先回りして謝っていました。挨拶されてもモジモジ。目をそらし、その場から逃げるように去っていく…。そのたびに「私の育て方が悪いのかな」と落ち込んでいたのです。
「ごめんなさい」が口ぐせになっていた
「○○くん、おはよう!」
先生やママ友に声をかけられても、息子はモジモジ。目をそらし、その場から逃げたがる…そのたびに私は、
「ごめんなさい、ちょっと恥ずかしがり屋で…」
と謝るのがクセになっていました。私はどちらかというと、知らない人にも気にせず挨拶します。少し口角を上げて「おはようございます!」と言えば、顔見知り程度でも気持ちのいい関係が始まる気がしていました。
だから不思議だったのです。毎日見ているはずなのに、どうして息子は“挨拶を返す”ことにこんなにも抵抗があるんだろう、と。もちろん無理強いはしたくない。でも、この先の学校生活や人間関係を考えると、やっぱり心配になる。
「小さい声でもいいから言ってみよう?」
「挨拶を返せたら素敵だよ」
そうやってやんわり促してきました。でも、その瞬間、途端にもうダメ。さっきまで普通だったのに急に目をそらして足早にその場を立ち去ろうとしてしまうのです。その姿を見るたび、私は少しずつ自信をなくしていきました。
「子育て失敗したのかも」と落ち込んだ日々
周りには、元気に挨拶できる子がたくさんいました。先生にも、ママ友にも、ハキハキと「おはようございます!」と言える子たち。その横を、スッ…と静かに通り過ぎる息子。比べちゃいけないと思っていても、どうしても比べてしまう。
“挨拶できる子=ちゃんとしている子”そんなイメージを、私自身が強く持っていたのかもしれません。だから息子を見るたびに、「なんでできないんだろう」ではなく、「私の育て方が悪かったのかな」という気持ちのほうが大きくなっていました。正直、「子育て失敗したのかもしれない」とまで思っていたのです。
卒園前、先生がくれたひと言
そんななか、卒園前の面談で、私は思い切って先生に相談しました。
「うちの子、何度言っても挨拶ができないし、塩対応で…」
すると先生は、少し驚いた顔をしてこう言ったのです。
「何言ってるんですか!お母さん!」
そして笑いながら、
「それが、あの子のいいところなんですよ」と。
私は一瞬、言葉の意味が分かりませんでした。先生は続けます。
「誰にでもすぐ愛想よくできる子も素敵です。でも、あの子はちゃんと相手を見て、自分の中で整理してから関わるタイプなんです」
「慣れた相手には、自分から話しかけてくれますよね?ちゃんと信頼関係を作ってる証拠ですよ」
その言葉を聞いた瞬間、肩の力がふっと抜けました。私はずっと、“できないこと”として見ていた。でも先生は、“その子らしさ”として見てくれていたのです。
もちろん、挨拶や礼儀はこれから少しずつ学んでいけばいい。でも、“誰にでも元気に愛想よく”だけが正解じゃない。慎重に距離を測る子。慣れるまで時間がかかる子。そんなタイプだっていていい。
先生の言葉のおかげで、私はようやく“直さなきゃ”から少し離れられた気がしました。
よく見ると、うれしそうだった
でも最近、ひとつ気づいたことがあります。先生やママ友に声をかけられている時の息子、よく見ると――にやにやしているのです。無表情っぽく見えるのに、口元だけちょっとゆるんでる。
え、うれしいんじゃん!だったらその気持ち、もっと外に出していけばいいじゃない!と母は思うのですが、どうやら本人の中では、“うれしい”と“表現する”がまだうまく直結していない様子。
でも、あとから急に話し始めたり、帰宅後に「あの先生いたね」とうれしそうに話したりする。ちゃんと、心は動いているのです。ただそれが、外から見ると“塩対応”に見えてしまうだけなのかもしれません。
要するに、むっつりなのです。
だから今日も私は、
「ごめんなさい!ちょっと恥ずかしがり屋で…」
とフォローしながら、心の中では、(本当はうれしいくせに〜!)と思っています。
このフォローは、これからもしばらく続きそうです。
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