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「ママ、何の病気なの?」 乳がんになった私に、娘が与えてくれたもの

「ママは何の病気になっちゃったの?」乳がんと診断されて間もない頃、5歳の娘にそう聞かれました。その頃は、まだ詳しいことが分からず、娘にどう説明すればいいのか決められずにいたんです。その後、検査結果を聞き、病気についてしっかりと理解したうえで、次に私が向き合ったのは、幼い娘に「伝えるかどうか」ではなく、「どう伝えるか」ということでした。
今回は、5歳の娘に乳がんのことをどう伝えたのか、私なりに考えた「子どもへの病気の伝え方」をお話しします。
「お胸に、悪いものができたの」
病院に通うことが増え、精密検査のあとは胸にバンドを巻いていることもありました。そんな私の姿を見て、娘も少しずつ不安そうになっていき、ついには「ママは何の病気になっちゃったの?」と、質問をなげかけられました。そこで私は、5歳の娘にも分かる言葉で病気を説明することにしました。
「ママのお胸にね、悪いものができちゃったの」
「そのままにしておくと、大きくなったり、どんどん増えたりして、体のいろんなところに広がってしまうことがあるんだって」
「だから、まだ小さくて、あまり広がっていないうちに、お医者さんに取ってもらわないといけないの」
難しい医学用語を使うのではなく、娘がイメージできる言葉に置き換える。まずは「ママには病気があって、それを治すために先生に取ってもらう」ということが伝わればいいと思いました。真実は伝えたい。でも、必要以上に怖がらせたくはなかったので、病名は伏せながら。

「ママは病院にお泊まりするんだって」
次に、手術でしばらく家を留守にすることを伝えました。
「先生に取ってもらうために、ママは病院に何日かお泊まりするんだって。でも、ちゃんと治すためだからね」
ただ「ママが入院する」と伝えるのではなく、なぜ家を離れるのかまで説明する。「ママが家からいなくなる」ことだけではなく、「病気を治すために必要なこと」と分かってもらえれば、少しは安心できるのではないかと思ったからです。

「大きくなったら病気を治す人になるから」
すると娘は、「じゃあ明日、おうちで遊ぶ時間にYouTubeでお胸の病気を調べてみる!」と言いました。あまりにも今どきの発想で、私も思わず笑ってしまいました。そして、娘は続けます。
「大きくなったら病気を治す人になるから、安心してね」
その瞬間、涙があふれました。私が娘に伝えたかったのは、「ママは病気だけど、ちゃんと治すために先生と頑張っているから大丈夫」ということ。でも、娘が受け取ったのは、それだけではなかったのかもしれません。娘は、病気のことだけではなく、私自身が不安になっていることまで感じ取っていたのです。
「ママが不安なんだ」そう察して、自分なりに励まそうとしてくれたのでしょう。私はずっと、娘を傷つけないこと、怖がらせないことばかり考えていました。でも実際には、娘のほうが私を安心させようとしてくれていたのです。
子どもは、小さいから分からないのではありません。大人と同じようには理解できなくても、その子なりに考え、感じ、誰かを思いやることができます。だから私は、これからも娘には誠実に話していきたいと思っています。もちろん、年齢に合わせて、娘が理解できる言葉を選びながら。

「大きくなったら病気を治す人になるから、安心してね」
あの日の娘の言葉は、治療を続ける私にとって、最高のお守りです。
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