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「振り向かぬ子を見送れり」―3歳息子サッカー初日・SNSの一首に40代パパの涙腺が崩壊した理由

「振り向かぬ子を見送れり」―3歳息子サッカー初日・SNSの一首に40代パパの涙腺が崩壊した理由

先日、3歳の息子が、近所のサッカーチームから少し遠くにある新しいチームに正式に入団しました。
初めて袖を通す、少しぶかぶかのユニフォームの小さな背中。練習初日、グラウンドの入り口で私の手をパッと離し、コーチの待つ方へトコトコと駆けていく後ろ姿を見送りました。
その時、胸の奥がギュッとなるような感覚に襲われたんです。
ほんの少し前までは、私の足にしがみついて離れなかったはずなのに。一歩踏み出すたびに、こちらを振り返って不安そうな顔をしていたはずなのに。今の彼は、一度も後ろを振り返ることなく、緑の芝生の上へ、自分の世界へと飛び込んでいきました。
頼もしいな、成長したな。そう思う反面、なんだか急に置いてきぼりにされたような、どうしようもなく「さみしい」という感情が込み上げてきました。子どもの自立は親として一番の願いですが、いざその瞬間を目の当たりにすると、心の準備が追いつかないものですね。

■SNSタイムラインに流れてきた、ある「短歌」

そんな感傷に浸りながら、帰り道でふとSNSを開いた時のことです。流れてきたある投稿が、私の視線と心を釘付けにしました。
それは、歌人・俵万智さんが詠まれた一首でした。
「振り向かぬ子を見送れり振り向いた時に振る手を用意しながら」(※俵万智さんの文章を引用したSNS投稿より)
この三十一文字を読んだ瞬間、視界がじんわりと滲みました。まさに、今日の午前中に私がグラウンドの端で立ち尽くしていた、あの瞬間の心象風景そのものだったからです。
「行っておいで」と送り出しながらも、親の心はどこかで「一度くらいはこっちを見てほしい」と願ってしまう。けれど、子どもが前だけを見て進めるのは、後ろに必ず「手を振ってくれる存在」がいると信じているからこそなのでしょう。
振り返らないのは、信頼の証。それを受け止めながら、いつ彼がこちらを見てもいいように、笑顔で手を振る準備だけはしておく。この、切なくも温かい親の覚悟に、心の底から共感し、救われたような気持ちになりました。

■言葉の魔法使い、俵万智さんという人

改めて紹介するまでもないかもしれませんが、俵万智さんは1987年に刊行された歌集『サラダ記念日』で社会現象を巻き起こした歌人です。
日常の何気ない一瞬を、瑞々しく、そして鋭く切り取る彼女の言葉は、SNS全盛の今もなお、多くの人々の心に響き続けています。特に育児に関する歌や言葉は、私たち親世代にとっての「お守り」のような存在です。
例えば、こんな言葉も有名です。
「最後とは知らぬ最後が過ぎてゆくその連続と思う子育て」
これは、子どもとの「最後」に焦点を当てた短歌で、子育てをする親なら一度は「最後におむつ替えたのはいつだろう」「最後に抱っこひもに入れたのはいつだろう」と、いつの間にか過ぎ去っていた「最後」に思うところがあるのではないでしょうか?
また、俵さんはSNSでも積極的に発信されており、その時々の社会情勢や自身の近況を、ユーモアを交えた短歌で表現されています。彼女の言葉がこれほどまでに拡散されるのは、教科書に載るような高尚な文学としてだけでなく、私たちの隣で一緒に笑ったり泣いたりしてくれる「等身大の視点」があるからではないでしょうか。

■最後に

6歳の娘と3歳の息子、毎日が騒がしく、時には「もう勘弁してくれ!」と頭を抱えたくなるようなカオスな瞬間もあります。自分の時間は削られ、家の中は片付かず、仕事との両立に必死な日々です。
けれど、俵さんの短歌に出会い、息子の後ろ姿を見送った今日、改めて強く思いました。
「育児は大変だけれど、この大変さは今この瞬間にしか味わえないものなんだ」と。
いつか必ず、子どもたちは私の手を必要としなくなります。こちらを振り返ることなく、もっと遠く、広い世界へと歩いていってしまうでしょう。その日は、私たちが思っているよりもずっと早くやってくるのかもしれません。
だからこそ、今、子どもたちから「お父さん!」と呼ばれ、その小さな手を握りしめられる時間を、もっと大切に、もっと丁寧に味わいたい。
もし彼らがふと立ち止まり、不安になって後ろを振り返った時。その時は、世界で一番温かい笑顔で、精一杯の「大丈夫だよ」を込めて、この手を目一杯振ってあげようと思います。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

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浅田伊佐夫

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広告会社勤務サラリーマンパパ

6歳(女)3歳(男)。計16か月育休を取得し、育児の素晴らしさと大変さを体感。「男性が当事者として育児をするのが当たり前の社会」を目指し、父目線の育児ブログを発信中。

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