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その食事、子どもの不調につながっているかも?「良かれと思って」が招く、糖質に偏った食事の落とし穴

その食事、子どもの不調につながっているかも?「良かれと思って」が招く、糖質に偏った食事の落とし穴

子どものためを思って選んでいる食事が、実は糖質に偏っていることがあります。パンや麺、甘い飲み物などが中心になると、必要な栄養素が不足しやすくなり、だるさや集中しにくさにつながることも。
本記事では、糖質に偏った食事で起こりやすいことや、食事を見直すポイントについて、梶の木内科医院院長の梶尚志先生の著書『え、うちの子って、栄養失調だったの?』より紹介します。

「ちゃんと食べているのに元気がない」子に多い食事パターン

朝もお昼も夜も、しっかり食べているのに、なんだか最近すぐ疲れる、イライラしやすい、朝がつらい。そんなお子さん、身近にいませんか?

診察室で話をよくよく聞くと、食べてはいるけれど、パンや麺類といった、糖質(炭水化物)に偏った食事をしているケースが少なくありません。パン、麺、甘い飲み物、果物が中心になり、たんぱく質(卵・魚・肉・大豆)やビタミン・ミネラルが不足気味。見た目のボリュームはあるのに、体や脳を動かす材料が足りていないために、エネルギー切れや気分の波が起こりやすくなるのです。

「食べていない」わけではないため、親としては気が付きにくいのがこのタイプです。しかも、子どもは麺類やパンが好きなので、気づけば毎食の主役が炭水化物になっていきます。まずは「量」ではなく「中身」を、少しだけ見直してみましょう。

良かれと思ってやりがちな「あるあるセット」

①パン+牛乳

忙しい朝に手早く用意できる組み合わせですが、パンは小麦粉が中心、牛乳は糖質(乳糖)と乳タンパクのカゼインを含みます。実は「糖×糖」のセットになりやすく、血糖(血液中の糖の値)が急に上がって、その後ガクンと下がる「ジェットコースター状態」に。このような血糖値の乱高下は、午前中のぼんやりや集中しづらさ、眠気につながりやすくなります。

②フルーツ多め

果物は、ビタミンが豊富で体に良いイメージがあります。でも一度に多く食べると果糖の摂りすぎになります。果糖の摂りすぎは炭水化物同様に血糖の上昇を招きます。おやつ代わりに毎回たっぷり…は避けたいところ。食後に小皿で添える程度にして、主役はあくまで食事に。

③麺+おにぎり

炭水化物+炭水化物は、スイミングやサッカーなど激しい運動系の習い事がある日に「しっかり食べさせたい!」、とやりがちですが、これも糖質が主役のダブルパンチ。たんぱく質と野菜が不足し、短時間でお腹は満たされるのに、長持ちしないエネルギーになりがちです。

糖質に偏ると、体の中で何が起きる?

体は、食べたものを「燃料(エネルギー)」として使います。ところが、糖質ばかりに偏ると、食後に血糖が急に上がり、体はそれを下げようとして一気に処理します。その結果、今度は血糖が素早く下がり、低血糖症という状態になります。この低血糖症は、眠気・だるさ・イライラの原因となり、甘いものの再欲求が出やすくなるのです。

さらに、糖質に偏った食事は、たんぱく質・ビタミンB群・鉄・亜鉛などを相対的に不足させがちになります。これらは「体や脳にとって大切な材料」であり、「エンジンを回す道具」でもあります。材料や道具が足りなければ、脳の働き(やる気・集中・気分の安定)も本来の力を発揮できません。「食べているのに元気が出ない」の背景には、この血糖値の乱高下が潜んでいることが多いのです。

そして見落としがちなのが、朝の一杯の飲み物。甘いヨーグルトドリンクやジュースは、糖のかたまりです。水やお茶に置き換えるだけで、血糖の波は小さく、午前の調子は驚くほど変わります。

「リーキーガット」ってなに?

血糖の乱高下とは別に、もうひとつ見逃せないのが「腸の状態」です。

  • 骨を強くしたいから牛乳
  • お腹にいいと思ってヨーグルト
  • 手軽で食べやすいからパンやうどん、パスタ

どれも、決して「悪い食べ物」ではありません。実際、多くのご家庭で日常的に取り入れられているものです。ただ、食生活の偏りや体調によっては、こうした食品に含まれる成分が腸に負担をかけることがあります。

負担が重なると、腸のバリア機能が弱まる状態が起こることがあります。この状態を「リーキーガット(腸もれ)」と呼びます。難しい言葉ですが、イメージは簡単。腸は食べ物の栄養を吸収する「窓口」です。この窓口の膜(腸の壁)が元気だと、必要なものだけを選んで体に入れます。

ところが、小麦製品に含まれるグルテンや乳製品に含まれるカゼイン、農薬などの化学薬品、食品添加物、睡眠不足、ストレスなどが重なると、腸の壁が弱って「目の粗いふるい」のようになることがあります。これが俗に言う「リーキーガット(腸漏れ)」のイメージです。

腸の壁が弱ると、未消化の大きな粒や、体にとって刺激になるものまで体内に入りやすくなり、お腹が張る、ガス、便秘や下痢、肌あれ、イライラといった不調の引き金になるだけでなく、アトピー性皮膚炎などの慢性的なアレルギー症状を引き起こすことがあります。 逆に、発酵食品(味噌・納豆・漬物・甘酒・麹)や食物繊維(海藻・きのこ・根菜)をとる習慣、そして十分な睡眠と朝の光は、腸の壁を守る味方になります。毎日の小さな積み重ねで、腸はゆっくり元気を取り戻します。

 「完璧」より「続く」を 今日からできる「足すだけ」食事改善法

難しいことは不要です。『足すだけ』で、子どもの体は正直に応えてくれます。

朝は「糖質は多すぎない+たんぱく質+温かい汁物」へ

まずは、パンだけ、ジュースだけの朝から卒業してみることから始めます。おにぎりは普通サイズでひとつにして、卵焼きや焼き魚、豆腐・納豆をひとつ添え、味噌汁や野菜スープで体を温めましょう。
 
食欲がない朝は、水をひと口から始めて、汁物少量、主食半分、そしてたんぱく質の主菜を一口の順で、「分けて」入れるとラクです。また、焼き魚が難しい場合は、シラスやジャコを取り入れるのも良いでしょう。

飲み物は「水・麦茶」を基本に

続いて、飲み物だけでも変えてみるのが近道。甘い飲料は「特別な日」のみへ。学校や習い事にも、水筒は水かノンカフェインの麦茶で。数日続けるだけで、午後の眠気やダラダラ食べが減る子は多いです。

主食は「ちょい控え」、代わりに「具を足す」

麺やパンが好きでもOK。具を足す(卵・ツナ・豆腐・野菜)、主食の量を少しだけ減らす。この2つだけで、血糖の波が小さくなり、腹持ちが良くなります。麺+おにぎりの『糖×糖』は卒業し、麺類なら具だくさんで麺は普通盛りにするとよいでしょう。

発酵&食物繊維を「一品だけ」足す

味噌汁を毎食、そして、納豆やぬか漬けを小鉢で添える、海藻やきのこをスープに入れ。このうちのどれかひとつでOKです。これらによって、腸が元気になると、気持ちも落ち着きやすくなります。

いきなり全部は変えなくて大丈夫です。まずは飲み物、次に朝食、慣れてきたら具を足す。1〜2週間で「朝のぼんやりが減った」「イライラが少し楽になった」など、小さな変化が見えてくるはずです。

子どもの明日の元気をつくために

子どもの元気は、量より中身で大きく変わります。糖質に偏った「見た目やさしい」食事は、実は成長期の体には「厳しい」と考えています。まずは、特別な食材や高価なサプリは必要ありません。水・味噌汁・卵or魚or大豆・普通からちょい少なめの主食。この「ふつうの一皿」を、家族のペースで丁寧に足していきましょう。迷ったら、「飲み物は水」「汁物を足す」「主食は小さめ」「具でたんぱく質を足す」を思い出してください。今日からできる小さな一歩が、明日の元気を作ります。

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医師

梶尚志さん

梶の木内科医院 院長・七夕医院 総院長。総合内科専門医、腎臓専門医、家庭医、日本抗加齢医学会専門医。2000年、岐阜県可児市に梶の木内科医院を開設。年間約5万人の患者を診察する中で、通常の診察では解決できない不調が多いことに危機感を感じ、改善策を模索。分子整合栄養医学との出会いをきっかけに、不調の原因が栄養状態にあることを確信する。以来、栄養学的なアプローチから治療と生活指導を行い、2025年7月に名古屋分院、名古屋七夕医院名古屋院を開院、子どもを初め、女性の不調の改善に取り組んでいる。

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