子育てって「スリーポイントシュート」を決めるくらい難しいと思ってみる

子育てって「スリーポイントシュート」を決めるくらい難しいと思ってみる

&あんふぁんをご覧の皆さん、こんにちは!“パパって最高!”な社会を目指す子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。パパ歴は21年。早くも長女が孫を生んだので40代にして新米おじいちゃんでもあります。

今、皆さんが好きなスポーツといえばなんでしょうか?我々が子どものころはテレビの地上波でも毎日プロ野球中継があったおかげで、男女を問わずなんとなく野球のルールを知っている人がほとんどでした。

時代は変わって今は野球を見たことがあまりない、やったこともないという人もかなり増えている印象。放送作家として原稿を書くときも「野球で言うと…」という例え方はほとんどしなくなりました。みんなが見たことがあるスポーツというと、やっぱりサッカーが一番多いのかもしれませんが、これも男女差があるかなと。そう考えると、プロスポーツの中で学校の体育の授業でも定番なものというとバスケットボールがもしかしたら一番性別世代を問わずなんとなく理解しているスポーツかもしれません。

そのバスケで会場を沸かせるものといえば「スリーポイントシュート」ですよね。 子育てとスリーポイントシュート…どんな関係があるのでしょうか?

トッププロでも外しまくっている

念のために解説しますが、バスケのコートにはゴールから7.239mのところに半円状にラインがあり、その内側から放ったシュートがゴールに入ると2点。外側から放ったシュートは3点入るというルールです。

さて、結論から言いましょう。

子育てとバスケのスリーポイントシュートは、直接…関係ありません。

ただ、ちょっとスリーポイントシュートを例にして子育てを考えていくと、ちょっと気が楽になるのではないか、という例え話の持論です。

日本のバスケの競技人口は約300万人くらいだそうです。これは20歳以上の一般人と競技者登録をしている人を合わせたもので、授業でやったことがある程度の人は入っていません。それを踏まえると、プロはもちろん、高校生の全国大会ウィンターカップの試合を最初から最後までじっくり見ている人は、それほど多くありません。

最近はワールドカップをはじめ大きな国際大会で見た人もいるかもしれませんが、ニュース番組などのダイジェストで見たという人の方が圧倒的に多いはずです。そうなると、試合のハイライトともいえるシーンがつながれているので、スリーポイントシュートもかなりの確率で入っているような気がしてしまいますが、実際のところはそうでもありません。

世界最高峰のアメリカのプロバスケットボールリーグNBAでも35%~38%くらいが平均。つまりは3本打っても2本は外れる計算なんです。

で、子育ての話に戻すのですが。

特に乳幼児くらいの子どもを育てている間の感覚値として、家事や育児をスムーズに進められる日なんて3日に1日あればいい方じゃないですか?と思うわけです。

朝、ちゃんと靴を履かせられた。

ご飯をこぼさずに食べさせられた。

声かけ一回で朝起きた。

一日怒鳴らずに終わった。

これが3日に1日でもあれば、本当にありがたい限りです。

しかも!この3回に1回もスリーポイントシュートが入るのは、トッププロの場合。まだ修行中の学生やアマチュアに至ってはそれよりもはるかに確率が低いわけです。

だったら、まだ子育てを始めたばかりの新米パパママだったら5日に1回でも、仕方ないとも言える気がします。それが日々練習を重ねて、コツをつかんで、段々と成功率が上がってくるんだと思います。きっと。

結局のところ何が言いたいかというと、毎日完璧に成功させることを目指すのはハードルが高すぎるわけで、5日に1回うまくいけば“普通”、4日に1回うまくいけば“いい感じ”、3日に1回だと“プロ並み”!みたいな感覚を持つと、気が楽になりますよね。

もっと言うと7日連続で失敗しても“ちょっと調子が悪いな”くらいなんですよ。やっぱり気持ちを保つためにもハードルは下げた方がいいんだと思います。 ただ、なかなか下げられないからキツいのです。

我々はスリーポイントシュートが入っている画像ばかり見ている

一体なぜハードルを下げられないのか?

先ほども、ニュースのダイジェストの話をしましたが、それだけでなく例えばCMとかもそうですが、エキサイティングなシーンを切り取る場合、ほとんどはスリーポイントシュートが入る(しかもめっちゃきれいに)シーンばかりを見ています。

で、それをまた子育てに変換すると。

SNSで見かけるキラキラした子育て投稿や、祖父母世代が言う「私たちの時は」エピソード、その他もろもろ多くの発信は「うまくいっている話」。つまりは「スリーポイントシュートが入っている画像」なのです。そうなると、入って当たり前の感覚が出てきてしまいます。結果的に入らないと「なぜ自分は入らない(=うまくいかな)んだろう」なんて思ってしまいがち。

よーく考えてみてください。スリーポイントシュートはめっちゃ難しいです。

やったことがある人もない人もそのくらいはわかるはずです。でも入っている映像ばかり見ていると簡単そうに思えてくる。それが落とし穴なんだなと思うわけです。

ということで、もし、今日子育ての何かがうまくいかなかったとしても、それはそんなに珍しいことではないし、基本的に難しいことにチャレンジしているだけです。

そして、うまくいかなかった時はこんなことをつぶやいてみてください。

「左手は添えるだけ」

スリーポイントシュートには関係ないセリフですし、わかる人にだけわかる言葉かもしれませんが、まあ、そのくらいの気持ちでいきましょう。 諦めたらそこで試合終了、かもしれません。

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兼業主夫放送作家 杉山錠士

1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。著書に「新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~」(主婦の友インフォス情報社)「急に『変われ』と言われても」(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)

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