【パパ旅】宇都宮へ避暑旅! 巨大地下空間と餃子を楽しむ!

【パパ旅】宇都宮へ避暑旅! 巨大地下空間と餃子を楽しむ!

旅行作家の吉田友和さんによるコラム。小学生のお子さんがいる吉田家。ママは出張が多いので、パパと子どもだけで過ごす日も。「ならば、旅をすればいい!」そんな吉田さんが語る「パパだけ子連れ旅」、今回は都内からも近い宇都宮へ。定番の餃子はもちろん、ひんやり涼しい地下空間も。

夏のお出かけといえば海派、山派でしばしば論争になったりするが、近頃は個人的にはどちらも支持できない。海も山も暑い、いや暑すぎるからだ。強いて言えば山の方が多少はマシだが、本気で涼しさを求めるなら山といってもある程度高度のある場所まで行かなければならない。とはいえ、暑いからといって家に引きこもってばかりいるのも……という気持ちもある。旅へ行くなら、それなりにお出かけ気分を味わえて、暑さから逃れられる場所がいい。

そんなに都合のよいところがあるのだろうか、と疑問に思う人もいるかもしれない。実は、絶好のスポットがあるのですよ!

RPGの冒険者になったつもりでダンジョン探検!

涼を求めて向かった先は、宇都宮だった。その郊外にお目当てのスポットがあるのだ。今回もやはりママは不在、パパと小学生姉妹の3人旅である。

目的地は、「大谷資料館」という。名前だけ聞くと、「えっ、資料館?」と戸惑うかもしれない。自分も最初はピンとこなかった。誤解を恐れずにいえば、観光地の名称としては地味なイメージさえ抱いたほどだ。

ところが、名前こそ資料館だが——実際に資料館で間違いではないのだが——ジャンルとしては、ある種テーマパークのような存在と言っていいだろう。楽しいし、映えるし、ドキドキもできる。階段を下りていくと、巨大な地下空間が現れる。かつて大谷石を掘り出していた採掘場の跡である。まるで異世界の地下都市へ迷い込んだかのような、探検気分で見学できる施設なのだ。

「ドラクエっぽい!」と感動していたのは、ゲーム好きの次女だ。わが家でパパが熱心にプレイする様子を日々見ているので、次女もドラクエはよく知っている。まさにRPGのダンジョンのような世界が広がっているのだ。地下には巨大な坂道のような場所があって、坂の途中ところどころに退避スペースのような空間があるのを見て、次女は「ゼルダっぽい!」という感想もつぶやいていた。斜面を大玉がコロコロ転がってきて、それを避けながら進む——ゼルダに出てきそうなアクションギミックだ。とにかく、そのスケールの大きさに圧倒された。天井はずっと高いところにあり、巨大な空間が遠く奥の方まで続いている。地下採石場の広さは2万平方メートルもあるという。

そしてなんといっても涼しい! というより、寒い。ぶるぶる震えるほどである。年平均気温は8度前後なのだという。外がどんなに暑くても長袖持参は必須といえる。「上着なんていらない!」と中へ入る前に長女は訴えていたが、「絶対持って行ったほうがいいよ」とパパは譲らなかったのだ。「ほうら、持ってきてよかったでしょう」とドヤ顔になると、長女は悔しそうな顔を浮かべながら上着に袖を通していた。

地下30メートル、最も深いところで地下60メートルにもなる。携帯の電波も当然のように圏外。それだけ潜れば、寒いのも納得である。まぎれもなく「避暑地」と言ってよいだろう。

採掘場内はところどころライトアップされていて幻想的な雰囲気。ゾンビになりきってみたりと、子どもなりに楽しんでいるようだった。
天井に巨大な穴を発見!ずっと見上げていたら首が痛くなってきた。

在来線のグリーン車で快適移動

都内発で旅する場合、宇都宮はほどよい距離感なのもいい。新宿からJR湘南新宿ラインに乗れば、乗り換えなしの1本で行ける。片道1時間40分前後は、パパだけ子連れ旅でもストレスのない移動時間だ。湘南新宿ラインにはグリーン車が設置されている。しかも、珍しい2階建てタイプの車両だ。今回は少しだけ奮発してグリーン車に乗ってみた。2階席の車窓から眺める景色は格別で、子どもたちも大喜びだ。

子連れでグリーン車を利用する際の注意点というか、面倒な点は、子どもの分は「こども用Suica」を使ってホームの券売機等でグリーン券を購入するか、紙のグリーン券を買わなければならないこと。大人ならスマホのモバイルSuicaアプリでSuicaグリーン券を買ってチケットレスで乗車できるが、子どもはそうもいかない。モバイルSuicaの利用は12歳以上というルールがある。

新宿駅の売店でお菓子や飲み物を買って、移動の車内でゆっくりタイム。在来線とはいえ、新幹線のようにリクライニングシートがあるグリーン車の空間は快適だし、なんといっても旅行気分が盛り上がる。土曜のお昼過ぎの下り列車はガラガラで、子連れでも気兼ねなく寛ぐことができたのだった。

ホームに入ってきた車両を見た瞬間、「2階がいい!」と次女。移動をいかに楽しめるかでも旅の満足度は変わる。

適度な都会感が心地いい

宇都宮駅に着いたら、自分たちが想像していた以上に都会だったようで娘たちは驚いていた。駅ビルはショッピングモールのようだし、原宿へ行くとよく立ち寄るわが家のおなじみ、ゼッテリアが改札近くにあるし、駅前にはヨドバシカメラなんかもある。こういう、「地方の大都市」みたいな街が、意外とわが家の娘たちには刺さるのだ。都会ではあるものの、東京都心のような過度に人が密集している感じとは一線を画する雰囲気。適度な都会感とでもいえばよいか。

宇都宮駅は、特に東口が近年再開発により大変貌を遂げている。ライトレール(路面電車)が開業し、最新の商業施設が駅に直結している。今回は東口にある新しめの某ホテルに宿泊したが、高層階は景色もすばらしく、おしゃれなシティホテルという感じで娘たちもご機嫌だった。

宇都宮といえば、忘れてはならない存在がある。餃子である。娘たちが生まれる前からよく、「そうだ、餃子を食べに行こう!」とこの町には食い倒れ旅へ来ている。餃子のいいところは、大人も子どもも満足できる料理であること。パパはビールがぐびぐび進むし、娘たちも餃子なら文句は言わない。

「来らっせ本店」という、複数の餃子店が集まったフードコートのような施設へ行ってみた。一口に餃子といっても、店によって意外とさまざまなのだなあと改めて実感する。皮がもっちりしている店があれば、具がユニークな店もある。

次女は羽根つき餃子にハマっていた。家で餃子パーティをするときも、いつも「パリパリがいい!」と主張しているほどで、焼き加減にはうるさいのだ。対して長女はというと、「水餃子おかわり!」と、餃子通のような頼み方をしていた。相変わらず、姉妹で味の好みが全然違うので笑ってしまう。

「来らっせ本店」はドン・キホーテ(子どもたちも大好きだ)の地下にある。予約不可だが、来店当日にLINEから整理券を発券できる。

今回のまとめ

一泊して翌日は、八幡山公園という宇都宮市内中心部から近い、結構大きめの公園へ立ち寄った。ゴーカートが1周140円という破格の料金で、それでいてコースが結構長くてお得感がある。東京タワーに似た宇都宮タワーにも上った。幸いにもそれほど暑くない一日で、園内が混んでいないのもよかった。

帰りの車内で、宇都宮で撮った写真をママに送ったら、「ママの餃子とどっちがおいしかった?」と鋭い質問が返ってきた。娘たちに聞くと、「……ママの」と答えるまでに微妙に間があったような気がしたのはここだけの話だ。

ゴーカートは楽しすぎて3周もしてしまった。

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おでかけ・旅行

旅行作家 吉田友和

1976年生まれ。人生初の海外旅行は世界一周。その後、旅行作家として国内外を旅して回りながら執筆を続ける。妻が出張で長期間家を空けることが多く、近年はパパだけで2人の娘たちを連れて旅へ出るパターンが増えている。『3日もあれば海外旅行』(光文社)、『夢と冒険の旅 世界一周ガイド』(小学館)、『東京発 半日旅』(ワニブックス)など著書多数。最新刊は『橋旅のススメ!』(産業編集センター)

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