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夏本番の前に体を慣らそう! 子どもを熱中症から守る「暑熱順化」のすすめ

今年も危険な暑さが予想されています。熱中症予防のキーワードとして注目の「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは、体を少しずつ暑さに慣らし、熱中症になりにくい体づくりをすること。夏本番を迎える前に始めたい、子どもの暑熱順化のポイントを、小児科医の泰道麗菜先生に聞きました。
教えてくれたのは…

小児科医 泰道麗菜先生
アレルギー疾患を専門に、大学病院の小児科などを経て2018年から神奈川県小田原市にある横田小児科医院に勤務。3児のママ。
暑熱順化とは、暑さに強い体をつくる仕組み
「暑熱順化」とは、暑い環境に体を少しずつ慣らしていくプロセスのことです。人の体は、暑さにさらされる機会を重ねることで汗をかく機能が高まり、体温をうまく調節できるようになります。しかし、エアコンの効いた室内で過ごす時間が長くなった現代では、汗をかく機会が減り、体が暑さに慣れないまま夏を迎えてしまうケースが増えています。とくに子どもは体温調節機能が未熟。「体が暑さに慣れるまで、大人より時間がかかると思います」と泰道先生は言います。一般的に大人で2週間程度かかるとされる暑熱順化も、子どもにはさらに時間が必要です。夏本番の前から、意識的に準備を始めることが大切です。
「何月から」ではなく、気温の変化を目安に
暑熱順化は、「何月から」と決めて始めるより、気温の変化を目安にするのがポイントです。「気温が急に上がってきたなというタイミングで、少しずつ暑さに慣らしていくことが大事だと思います」と泰道先生。
目安は気温が上昇し始める5月頃。真夏よりもむしろ、体がまだ暑さに慣れていない初夏こそ熱中症のリスクが高まります。急に暑くなる日に備えて、早めに体を慣らしておきましょう。

子どもの暑熱順化、具体的な方法は?
暑熱順化のために、特別なことをする必要はありません。大切なのは、日常生活の中で少しずつ汗をかく機会を増やすことです。
公園遊びやお散歩で、少しずつ体を動かす
激しい運動は必要ありません。公園遊びや少し長めのお散歩を毎日の習慣にするだけでOK。汗ばむ程度の活動を継続しながら、運動量を少しずつ増やしていきましょう。ただし暑さに慣れていない時期は無理をせず、大人がそばでこまめに様子を確認してあげましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくり入る
外遊びが難しい日には、お風呂が暑熱順化に役立ちます。ぬるめのお風呂に少し長く入って汗をかくのも、暑さに慣れる練習になります。汗をかいたら拭く・着替えるという対処を習慣にしておくことも暑熱順化の一部です。「汗をかいたらさっぱりできるね」と前向きな声かけをしながら、汗と上手につき合う習慣を身につけさせましょう。
水分補給は「のどが渇く前」を習慣に
水分をこまめにとる習慣をつけておくことも重要です。のどが渇いてから飲むのではなく、遊びの前・途中・後にこまめに水分を補給するリズムを身につけておくと、暑い時期にも役立ちます。

わが子の「汗のかき方」を知っておこう
暑熱順化を進める上で、子どものふだんの様子を知っておくことも大切です。「普段から汗をかきにくい子や、逆にとても汗っかきの子は、暑さへの対応が弱いことがあります」
汗をかきにくい子は体温が上がりやすく、汗っかきの子は脱水になりやすい場合があります。普段どのくらい汗をかくのかを観察しておくことが、熱中症予防につながります。
また、熱中症のサインは汗だけではありません。いつもはおしゃべりな子が急に静かになった、元気いっぱいなのにぼーっとしている——そんな「いつもと違う」変化に気づけるのは、毎日一緒にいる親だからこそ。規則正しい生活で体調を整えておくことも、暑熱順化の効果を高める上で欠かせません。
まとめ 本格的な夏を前に、今日からできること
特別なことは何もいりません。毎日の積み重ねが、子どもの体を暑さに強くします。できることから始めてみましょう。
いまからできる暑熱順化
| やること | ポイント |
| 外遊び・お散歩 | 毎日続けて、少しずつ運動量を増やす |
| お風呂 | ぬるめでもOK。長めにつかって汗をかく |
| 水分補給 | のどが渇く前に、少量をこまめに |
| 汗の観察 | わが子の「汗のかき方」を把握しておく |
| 日頃の観察 | 「いつもと違う」に気づけるようにする |



























