0歳・1歳の赤ちゃんに広すぎる寝床は逆効果。夜泣きとの意外な関係とは?

ベビーベッドだと狭そうに見えるから、大きい寝床にしてあげた方が良いのではないか…と考えたことがある方も少なくないのではないでしょうか?「狭そうだからかわいそう」と思いがちですが実は、寝床が広すぎることが夜泣きの一因になることもあるのです。乳幼児睡眠の専門家がその理由と対処法を解説します。
赤ちゃんが広い寝床でかえって落ち着かない理由
赤ちゃんは生まれる前の約10ヶ月間、お腹の中で体を丸め、羊水に包まれながら子宮の壁に触れて過ごしています。体のどこかが常に何かに接している状態が、胎児の頃の当たり前だったのです。
だからこそ、生まれた後も広い空間に寝るよりも、体の一部が何かに触れていたり、ある程度囲まれた空間にいたりする方が、安心して眠りやすいのです。
逆に、大人のシングル布団やダブルベッドのような広いスペースにポンっと置かれると、どこにも触れるものがない状態になります。この感覚が落ち着かなさにつながり、眠りが浅くなるタイミングに目が覚めやすくなることがあります。
「広い方が快適なはず」という大人の感覚はよくわかります。でも極端に言えば、ホテルの宴会場に「お一人でどうぞ」と寝かされたらさすがに広すぎて落ち着かないですよね?そう考えると少し理解しやすいかもしれません。
睡眠のご相談の場でも、「ベビーベッドが狭そうだったので広い布団に替えました」という方から、切り替え後に1人で寝られなくなったり、夜泣きが増えたりしたというお話を伺うことが少なくありません。思い当たる節があれば、まず寝床の見直しを試してみる価値があります。
布団の端や横向きに寝るのも同じサイン
布団やベッドの中で縦ではなく横向きや斜めになって、壁や柵のそばに寄っていることはありませんか。
「せっかく縦に広く寝られるのに、なぜわざわざその向きで?」と思うかもしれませんが、赤ちゃんなりのベストポジションを探していて、なんとなく横向きが落ち着いて寝てしまうこともあります。
大人の目には「窮屈そう」「不思議な寝相」に見えても、赤ちゃんにとっては一番落ち着く場所かもしれません。こうした不思議な寝相も、赤ちゃんが自分なりのベストポジションを見つけようとしている行動だと思えると、少し納得できるのではないでしょうか。
赤ちゃんサイズの寝床に戻そう
対処法はシンプルです。月齢に合った、コンパクトな寝床に戻してあげることです。
0歳・1歳の赤ちゃんであれば、標準サイズのベビーベッド(70cm×120cm)で十分な広さがあります。「狭そう」と感じて広い布団やベッドに移行していた場合は、一度ベビーベッドに戻してみてください。ベビーベッドが使えない環境であれば、ベビーサークルで囲った布団も有効な選択肢です。適度に囲まれた空間が作れるため、赤ちゃんが落ち着いて眠れることがあります。
ベビーベッドやベビーサークルのように囲むことが必須、ということではありませんが、境界がなく添い寝をしているとお互いに干渉しやすくもなりますし、大人の枕や掛け布団が赤ちゃんの窒息要因になることも考えられるので、できればお互いが干渉しない距離を開けるか、または囲いをつけることをおすすめします。
「では、広い布団に移行するタイミングはいつ?」という疑問もよく聞かれますが、目安は2歳ごろ以降です。体が大きくなりベビーベッドが実際に手狭になってきたタイミングが移行のサインです。
おくるみ・スワドルも有効な選択肢
月齢が低いうちは、おくるみ(スワドル)も試してみてほしい方法です。体をしっかり包んであげることで、胎内に近い「囲まれた感覚」を再現することができます。
ただし、寝返りができそうになったらおくるみは卒業のタイミングです。うつ伏せになったときに自分で向きを変えられないと危険なため、発達の段階に合わせて使用してください。
また、「狭い方が落ち着くなら、クッションや枕で周りを囲んであげれば?」と考える方もいるかもしれません。お気持ちはよくわかりますが、これは危険なので避けてください。
安全のために絶対に守ってほしいこと
0歳の赤ちゃんの寝床に、枕・クッション・ぬいぐるみ・授乳クッション・ブランケット・ベッドガードなどの柔らかいものを入れることは避けましょう。
0歳の赤ちゃんはまだ体を自由に動かす力が発達途中で、顔が柔らかいものに埋まっても自分で向きを変えられないことがあります。窒息のリスクが高まるため、赤ちゃんの寝床はシンプルに保つことが安全の基本です。
夜泣きの原因は、意外なところに隠れていることがある
夜泣きの原因は、活動時間のずれ、昼寝のタイミング、光、温度、寝かしつけの方法など、さまざまです。その中で「寝床の広さ」は意外と見落とされがちな要因のひとつです。
「もしかしてこれかも」と思い当たる節があれば、今夜から寝床を一度見直してみてください。環境をひとつ変えるだけで、夜泣きが落ち着くきっかけになることがあります。
夜泣きが続く夜は本当につらいと思います。でも、原因がわかれば1つずつ対処していくことができます。お子さんとご家族にとって、穏やかな夜が少しずつ増えていくことを願っています。
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