17歳までは「デジタルの仮免期間」 家庭で作る「ルール」と「失敗しても相談できる環境」

情報を正しく読み取り、活用する力「メディアリテラシー」。さまざまなデジタルメディアが身近にある今、大人だけでなく、子どものうちから少しずつ育てていきたい力です。
このコラムでは日本メディアリテラシー協会代表理事の寺島絵里花さんが、「メディア」との上手な付き合い方について教えてくれます。今回は「未成年のSNSやAIとの付き合い方」について解説します。
SNSやAIの活用ルール、規制したとしても解除された後は?
現在、世界中で「15歳または16歳未満のSNSやAIの利用を法律で規制しよう」という安全強化の動きが広がっています。悪質なコンテンツやトラブルから子どもを守るために重要な動きですが、ここで私たち保護者が考えなければならない問題があります。それは「年齢制限を過ぎて解禁されたとき、子どもはSNSを安全に使えるのか?」ということです。
何の練習も指導も受けていない状態で、規制が解除される年齢になり、無制限にSNSやAIを使える世界に一人で放り出されたら、トラブルが起きるのは目に見えています。「ただ禁止して年齢が来たら自由に使えるようにする」のではなく、それまでの期間をどう過ごすかが極めて重要なのです。
17歳までは「デジタル使用の仮免期間」と考える
日本の法律には、未成年(18歳未満)が結んだ、保護者の同意を得ていない契約を取り消すことができる、「未成年者取消権」というものが存在します。これは見方を変えれば、法律によって子どもが守られている期間であるということです。
この法律と同様に、SNSやAIの利用についても親の保護と責任の下にいる17歳までは、自動車教習所でいう「教官(親)が助手席に乗って指導している仮免期間」だと捉えてみてください。いきなり100点の運転を目指す必要はありません。親の目が届く範囲で、デジタルの正しい使い方を少しずつ身につけていく練習期間と考えましょう。
「仮免期間」を有意義に 子ども側と親側それぞれのルール作り
この「仮免期間」を有意義に過ごすために、家庭内で実践的なルールを作りましょう。子ども側のルールとしては、「スマホやタブレットの充電はリビングで行う」「変な画面や怖い画像が出たら画面を伏せ、すぐに親を呼ぶ」など、具体的で行動しやすい約束に落とし込むのがコツです。
そして、それ以上に重要なのが「親側のルール」です。
仮免中の生徒は、エンストをしたり操作を誤ったり、失敗をしてしまうかもしれません。子どもがルールを破ってしまったり、誤って怪しいサイトを開いてしまったりしたとき、絶対にやってはいけないのが「頭ごなしに激しく叱ること」です。怒られることを恐れた子どもは、トラブルを隠すようになってしまいます。それにより事態が発覚するのが遅くなり、深刻化してしまう場合もあるのです。
子どもが困って打ち明けてきたら、まずは怒らずに「教えてくれてありがとう」と受け止める。この「困ったときに最初に親に相談できる心理的安全性」を家庭内につくっておくことこそが、最大の防犯策になります。

まとめ
親の同意権や保護があるうちに、家庭という安全な環境で「失敗と相談」の練習を重ねておくこと。これこそが、将来子どもが独り立ちした時に、自分自身で危険を回避できる「ゴールド免許ドライバー(=自立したデジタルユーザー)」へと成長するための第一歩なのです。
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担当カテゴリー
ITデジタル
日本メディアリテラシー協会代表 寺島絵里花
一般社団法人日本メディアリテラシー協会 代表理事。高校時代に留学したカナダでメディアリテラシー教育に出合い、興味を持つ。上智大学文学部新聞学科卒業、ペンシルバニア大学留学。結婚、出産を経て、一般社団法人日本メディアリテラシー協会を立ち上げる。主な業務は、メディアリテラシー教育の普及を目的とする、保護者、教員、行政、民間企業などが対象のワークショップや研修、講演、出前授業など。
当協会立ち上げ後に東京学芸大学大学院教育支援協働実践開発専攻AI教育プログラム卒業。上海師範大学、北京師範大学での関連プログラム修了。2024年現在、JASSO 日本政府中国政府奨学金生(博士課程後期)として、華東師範大学大学院国際比較教育研究所所属。
メディアリテラシーに関する幅広い知見に加え、3児の子育てや日々の生活を発信するメールマガジンやブログが好評を博している。


























