中学受験でよく出る「つるかめ算」「旅人算」。実は「図解する力」を育てるヒントがたくさん!

中学受験でよく出る「つるかめ算」「旅人算」。実は「図解する力」を育てるヒントがたくさん!

「つるかめ算」「旅人算」」という言葉を聞いたことはありますか?
これらは中学受験特有の算数である「特殊算」です。
中学受験と聞くと、公式をたくさん覚えたり算数のセンスで解法をひらめいたりする、難しい勉強をイメージするかもしれません。
しかし中学受験算数の本質は「考える力」を鍛えること。とくに代表的な特殊算である「つるかめ算」「旅人算」では、図や表を使って情報を整理し順序立てて考えること(=図解する力)を学びます。今回は、中学受験でもよく出てくる「つるかめ算」や「旅人算」をきっかけに、低学年から意識したい「図解する力」についてご紹介します。

算数で大切なのは公式暗記より「図解する力」

中学受験の算数では公式も習いますが、公式だけでは解けない問題が数多くあります。そこで重要になるのが、複雑な条件を図や表で整理する力、すなわち「図解する力」です。図解をどう活用するのか、つるかめ算と旅人算を例に解説します。

つるかめ算:表にまとめて法則を見つける

つるかめ算は、「ツルとカメが何匹かずついて合計の足の数だけがわかっているとき、それぞれ何匹ずついるのか」を求める問題。(必ずしもツルとカメとはかぎりません)学習の導入ではツルの数・カメの数・合計の足の本数を表を使って順番に書き出して考えます。もちろん数が大きくなれば全てを表に書き出すことはできませんが、ある程度書き出すと一定の法則性があることに気づきます。

旅人算:図で動きを「見える化」する

旅人算は「向かい合って近づいてくる」「後から出発した人が前の人を追いかける」「同じ道を違う速さで進む」など、2人以上の動く人(モノ)の速さや距離・時間について求める問題です。旅人算では、向きや進んだ距離などを線や矢印を使って図解します。問題文だけでは動きや変化がわかりにくいですが、図を使うと具体的にイメージすることができます。

なぜ「図解する力」が大切なのか?

図解すると、言葉だけではわかりにくいものを「見える化」することができます。中学受験算数では、複雑な条件を整理したり変化や動きを視覚化したりするために、図や表にまとめることを重視します。この「図解する力」は、中学受験だけでなく普段の学習や日常生活でも欠かせない力です。

「図解する力」が足りないと文章問題でつまずく

図解する力は、算数の文章問題を解くための土台です。
文章問題では「問題文を読む」→「式を立てる」→「計算」の順で解きます。ところが小学3・4年生あたりから「計算は得意なのに文章問題が苦手」「式が立てられない」という子が急増します。小学3年というのは、分数や小数といった抽象的な概念の学習が始まる時期。これらは手で触れたり具体物で表すことができない数なので、「いかにイメージできるか」が学習のカギとなります。授業ではピザを等分するイラストや物差しの目盛りを用いて解説しますが、自分で図に表せない子はどうしても理解が進みにくくなってしまいます。

図解するとイメージしやすくなる

よく文章問題でつまずく原因として「読解力の不足」が指摘されます。しかし実は「イメージする力」の不足が原因となっていることも多いのです。そもそも算数の式は抽象的なもの。そこに分数や小数といった抽象的な概念が加わると、一気に文章問題が難しくなり「何を言っているか、何をすればいいのかさっぱりわからない」という状態に陥りやすくなります。

そこでイメージの助けになるのが「図解」。一見複雑に見える文章問題も、線や矢印を書いたり表にまとめたりして「見える化」することで、一定の法則が見えてきます。この法則を、数や計算の形に変換したものが式です。

いわゆる「算数が得意な子」は、問題文を読んで頭の中で動きや状況を視覚的にイメージしたり、図表を使って法則を見つけるのが得意。イメージを使って一気に理解を深め、素早く式を立てられるのです。

文章問題が苦手な子はまず手を動かすことから

もし「文章問題が苦手」と感じている場合は、まずは手を動かすことを意識してみましょう。無理に頭の中だけで考えようとするとかえって混乱してしまいます。繰り返し図解する練習をすることで、問題のイメージを掴みやすくなり、思考が整理されて式を立てられるようになります。

図解する力は、算数だけのものではありません。たとえば、
● 国語で登場人物の関係やできごとを整理する
● 理科で変化の流れを理解する
● 社会でデータを分析する
● 日常生活で段取りよく行動する
など、さまざまな場面で役立ちます。
「難しそうだな」「面倒くさいな」と思ったときに、手を動かして図解したり情報を整理する習慣があれば、思考停止することはありません。つまり図解する力は、困難な問題にも諦めず粘り強く立ち向かうための強力なツールなのです。

低学年からできる!「図で考える」習慣づくり

もちろん低学年から難しい文章題や中学受験の特殊算に取り組む必要はありません。普段から手先を動かす遊びを取り入れたり、書きながら考えたりする経験を増やしていくことが大切です。たとえば次のような遊びは、手を動かして頭の中のイメージを形にしたり、先を想像して戦略を立てる力を鍛えることができます。

● お絵描き
● 迷路
● すごろくなどのボードゲーム
● オセロ・囲碁・将棋など

また日常の行動面で次のような習慣を意識すると、勉強場面でも自然に手を動かして考えられるようになります。
● メモに取る
● 表にまとめる
● 順番を整理する
● 地図を手でなぞって道順をイメージする


もしお子さんが、普段の勉強で図を書かずにスラスラと式を立てられる場合は、算数パズルや複雑な条件の文章問題など、少しレベルの高い問題に挑戦してみましょう。算数検定や中学受験の算数に挑戦してみるのもおすすめです。勉強は簡単すぎても難しすぎてもお子さんの意欲を失わせてしまいます。「最初は難しかっ
たけれど、図にしてみたら分かった!」という、その子にとってちょうど良いレベルの問題に挑戦させてあげましょう。

まとめ 大切なのは「考えるって面白い!」という感覚

中学受験の特殊算というと、何か特別な勉強を想像するかもしれません。しかし本質は「難しい計算」や「公式の丸暗記」ではなく、手順を踏んで論理的に答えを導き出すこと。そのためのスタート地点が「図解する力」です。そして中学受験をする・しないに関わらず、「図解する力」はこれからの学びを支える重要な土台。低学年のうちから、楽しく試行錯誤する習慣を育て、答えに近づくワクワク感や正解したときの達成感を積み重ねていきましょう。

まずは日常の中で「イラストに描いてみよう」「図にすると何か気づくかな?」と、親子で楽しみながら考える時間を作ってみてくださいね。

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担当カテゴリー

学び・遊び・教育

算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。

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