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ルーツを知れば世界が広がる親子で楽しむ行事のいろは

読者アンケートでは97.9%が「行事を楽しむことは、子どもの成長や教育に必要だと思う」と答えました。 それぞれの行事に込められた意味や楽しみ方を少し深堀りしてみませんか?新たな一年の過ごし方のヒントとして活用してくださいね

行事は毎年繰り返され “思い出ボタン”が押される

日本の行事は、そのほとんどが家族に対する愛情表現になっています。なぜかというと、行事は家族の幸せを願う気持ちを形にしたものだから。日本には、目には見えない“思い”を物事に託す文化があり、行事にはその“思い”がぎゅっと詰まっているからです。

さらに、行事は毎年繰り返されるので、そのたびにまるで「思い出ボタン」が押されるように記憶がよみがえり、家族に対する愛情や絆が深まります。大人になれば行事の意味や当時の親の気持ちが分かるので、感謝の気持ちも増していき、その思いが次の世代にも受け継がれていきます。

行事を楽しんで 子どもと家族の根っこを育てよう

大きな木には立派な根っこがあるように、子どもたちの根っこもしっかり育ってほしいですよね。行事には、文化、知識、知恵、親の愛情が豊富に含まれ、子どもの根っこを育てるための素晴らしい養分となります。さらに、親子で行事を体験することで、親子関係の根っこや、親自身の根っこも強くなるのです。たくさんの花が咲くように、家族みんなの根っこを大切に育てていきましょう。

教えてくれたのは… 三浦康子さん 和文化研究家、All About「暮らしの歳時記」ガイド。各種メディアで活躍中。さまざまな文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。著書、監修書多数。

子どもに行事を 分かりやすく説明するには…

例えば“五穀豊穣”と言っても子どもには分かりませんよね。「おいしい食べ物が育って、それをあなたが食べて大きくなってくれればいいなと思っているの。だから食べ物がたくさん育つように、お願いしてみようね」と、子どもが自分ごととして捉えられるように話してみてください。大人になっていくにつれて、その意味が分かるようになりますよ。

※データはあんふぁん読者へ2023年9月6日~10月3日に実施したアンケートから。回答数1946

【お正月】1日〜15日 お年玉のルーツはお餅

お正月には、ご先祖様で田の神、山の神でもある「年神様」が来るといわれています。「明けましておめでとう」は、無事に年を越して年神様をお迎えできた喜びを、みんなで分かち合う祝福の言葉です。お年玉のルーツはお金ではなく、実は“お餅”。お餅には年神様の魂が宿っているとされ、「御年魂」から「お年玉」となりました。

【節分/立春前日】2024円は2月3日 鬼のパンツはなぜ虎模様?

鬼は「丑寅(うしとら)」の方角=「鬼門」からやってくるといわれています。それを象徴するのが、虎柄のパンツ、虎の牙、牛の角が生えた鬼の姿。災害や病は鬼の仕業と考えられていたため、神様の力が宿るとされる「五穀」の中でも一番大きい「豆」をまいて、鬼を追い払います。

【桃の節句】3日 桃の節句は男の子もお祝いOK

桃の節句はもともと邪気払いの行事なので、男の子でもお祝いしてよいのです。桃の木は聖なる木で邪気払いの力があるとされます。今のひな人形は「飾る」のが一般的ですが、昔は紙や草で作った人形(ひとがた)で自分の体をなでて息を吹きかけ、ケガレをうつして川に流していました。

【お花見】3月下旬〜4月上旬 田の神様が山から下りてくる

桜の「さ」は田の神様、「くら」は神様が座る場所という意味があるといわれます。田の神様は春になると山から里へ下りて来て桜に宿るとされ、桜の花を稲の花に見立てて、豊作祈願をしました。お花見をしながら、子どもたちに「田んぼの神様が来てるよ」と教えてあげましょう。

【こどもの日】5日 なぜ鯉のぼりを立てるの?

昔、武家は男の子の成長を祝ってのぼりを立てたため、庶民は鯉の形ののぼりを考案し、立てるようになりました。鯉は立身出世(社会的に名声を得る)の象徴です。端午の節句は別名「菖蒲(しょうぶ)の節句」。香りが強くとがっている菖蒲は邪気払いになるといわれています。菖蒲の鉢巻きをすると、賢くて強い子になれるという言い伝えも。

【入梅】6月 「てるてる坊主」はのっぺらぼう?

入梅=梅雨に入ること。雨の多い時活躍する「てるてる坊主」は、のっぺらぼうでつるすものなのを知っていましたか? 晴れたらお礼に目・鼻・口を描いてあげましょう。6月の末には、多くの神社で夏越(なご)しの祓(はらえ)として、茅(ち)の輪くぐりが行われます。茅の輪を3回くぐって、半年分の厄を祓いましょう。

【七夕】7日 七夕では何をお願いする?

七夕には短冊に願いを書いて笹竹につるしましょう。笹竹がなかったら、窓辺に並べるだけでもOK。物事の上達を願う行事なので、願うのは“自分の努力で成し遂げられること”。短冊は捨てずに残しておくと、子どもの成長の記録になります。

【お盆】13日〜16日 ご先祖様をお迎えして感謝する

ご先祖様の霊を迎えて、今こうして元気に暮らしていることに感謝をする行事。きゅうりとなすで作った「精霊馬(しょうりょううま)」で送り迎えします。諸説ありますが、来るときはきゅうりの馬で速く来て、帰りはなすの牛でゆっくりお帰りいただくといわれています。

【重陽の節句】9日 菊の香りで長生きをお願い

長寿を祈願する行事で、別名「菊の節句」。香りが高い菊は、長寿をもたらすおめでたい花で、菊のおかげで少年のまま700年も生きたという「菊慈童(きくじどう)」伝説も。「被せ綿(きせわた)」という習わしがあり、菊の花に一晩綿をかぶせ、翌朝その綿で身を清めると長生きできるといわれています。

【十三夜】旧暦9月13日/2024年は10月15日 十五夜の翌月、もう一度お月見を

旧暦9月13日のお月見のこと。十五夜(旧暦8月15日)が中国伝来の月見を手本にしているのに対し、十三夜は日本発祥の風習で、栗や豆の収穫祝いでもあるため「栗名月」「豆名月」ともいわれます。月は私たちを陰で支えてくれる物事の象徴なので、月を拝むと「お陰様」の心が育めます。

【七五三】15日 なぜ7歳、5歳、3歳?

昔は7歳までは魂が定まっていないと考えられていました。子どもを無事に成長させるのはとても大変だったので、節目節目に神様に感謝し、健やかな成長を祈りました。3歳(男女)は髪を伸ばし始める「髪置き」、5歳は男の子が初めて袴をはく「袴着」、7歳は女の子が本式の帯を締める「帯解き」の儀式に由来します。帯には魂をしっかり留めるという意味も。

【大晦日】31日 うっかり寝ると老けてしまうかも!?

大晦日の夜、寝ないで年神様を待つことを「年籠(としご)もり」といいます。うっかり寝てしまうと、しわや白髪が増えるといわれています。どうしても眠くなったら「寝る」と言わず「稲積(いねつ)む」(稲を積むこと。寝るの意のめでたい言葉)と言えば、魔力から逃れられるそうです。

読者発! わが家の行事・イベントの楽しみ方はコレ

お正月
昔ながらの過ごし方でコマやたこ揚げをしました。広い丘でコートを着込んで走り回ってたこ揚げをして、成功した時には本当にうれしそうで、やって良かった!(北海道/年長のママ)


バレンタイン
近所の数人のお友達とバレンタインチョコの交換をしました。公園で円になって音楽が止まるまでチョコを回しました。ほしかった包みが来なかったー!など大はしゃぎでした。(福岡県/年長、年少、未就園児、小学生のママ)


ひな祭り
夕飯はちらし寿司にして具材の用意から子どもと一緒に楽しみます。食卓に具材を並べてそれぞれ好きなようにデコレーションしました。大切にしてほしいので、おひな様飾りも片付けも一緒にするようにしています。(福岡県/年長、小学生のママ)


七夕
子どもと一緒にミルク寒天、ぶどうジュース寒天、オレンジジュース寒天の3種類を作り、それを子どもの好きな形にくりぬき、フルーツと炭酸ジュースと一緒に器に入れて食べました。(千葉県/年中、小学生、中学生以上のママ)


夏祭り
夏休みに幼稚園のお友達とおうち縁日をやりました! 準備は大変でしたが、自分たちで手書きのチケットを作り、手作り感満載の縁日は、どのお祭りよりも思い出に残る日になったと思います。(神奈川県/年長、年少のママ)


冬至
毎年冬至が近付くと湯船にゆずを浮かべます。ゆずを入れることの意味や冬至の話、ゆず自体の匂い・中身をお風呂の中で知ることができ、特別感が増します。ゆっくりお風呂で話ができるので親子ともども幸せな時間を過ごしてます。(大阪府/年中、小学生のママ)


クリスマス
● 冬だけれどお友達とBBQ! 温かいスープや定番のマシュマロ焼きで盛り上がりました。(東京都/年少、小学生のママ)
● クリスマスにアドベントカレンダーを作りました。中にはお菓子や小さなおもちゃや、かわいい消しゴムなどを入れ、今日は何が出てくるのかを子どもたちはクリスマスまでの間毎日楽しんでいました。(神奈川県/年中、小学生のママ)
● 公民館の広い和室スペースを借りて友達家族とお菓子持ち寄りパーティー。部屋が広いので子どもたちは広々自由に遊びまわり、親も子どもも楽しい時間を過ごせました。(神奈川県/年長、未就園児のママ)
● 大きい紙を用意して子どもたちにクリスマスツリーを描いてもらい、お菓子の包み紙などを使って飾り付けをして、皆楽しめていたので大成功でした。(佐賀県/年長、未就園児、小学生のママ)

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