園ではできるのに、おうちで甘えてしまう……子どもの心理とは?

園ではできるのに、おうちで甘えてしまう……子どもの心理とは?

このコラムでは大阪教育大学教育学部教授の小崎先生が、「こんな時どうしたらいいの?」「子育ての“ココ”が知りたい!」という皆さんのお悩みに答えます。今回は、保護者から寄せられた「園ではできることを家ではしなくなる子ども」についての悩みです。

Question: 「着替えやトイレなどを園ではできているのに、家ではやりません。園で頑張っているから家では甘えたいのかもと先生には言われますが、このまま家では甘えさせてあげたほうがよいのでしょうか」

「園ではできるのに、家ではしない」は多くの親が抱える悩み

「保育所ではちゃんと自分で給食を食べているようですが、家では食べさせてほしいとわがままを言ってきます」「保育所でパジャマなどを自分一人で着替えていることが信じられません。家では絶対に着替えないですし、手伝わないと何もしません」保育士をしていたときに、このような質問をたくさんお聞きしました。

そんなときには「保育所でできるということは、子ども自身にできる力はきちんと育っているということです。その点はすばらしいことなので、認めてあげてくださいね。その上でおうちでしないのは、まだまだパパやママに甘えたいのだと思います。できる範囲でいいので、その甘えを受け止めて一緒にしてあげてほしいです」と答えていました。

子どもにとっては、おうちは居心地がよいからこそ甘えられる場所

子どもたちは、保育施設で本当によく頑張っています。集団生活の中で、いつも必ず自分の思いが通るわけでもなく、時には我慢をしていることも少なくないでしょう。楽しいこともたくさんあるけれど、子どもなりに葛藤やしんどくなることもいろいろとあると思います。そんな中でも毎日保育施設に通っているのです。もちろん保護者の方と状況は違いますが、子どもなりに毎日「お仕事」をしているようなところもあるのです。本当に一人一人がとても頑張っていますし、えらいと思います。

そのような視点で捉えると、やはり大好きなパパやママと一緒に過ごせるおうちは、子どもにとって本当にリラックスできる場所であり、思う存分甘えられる存在がいるとても居心地のよいところなのです。少しぐらいのわがままは受け止めてあげてほしいなと思います。保護者の方も家事や仕事が終わった後は子どもと同じようにリラックスし、時には愚痴を言ったり、家族に甘えたり、わがままを言ったりはしていないですか? おうちというものは、それでよいものなのです。そのように考えると、家で存分に甘えられるから、保育施設で頑張ることができているのです。

家でリラックスできていない子どもに多い行動とは?

一方で、私たち保育者が気になるのは、そのパターンと反対の場合です。保護者がいるときはとてもきちんとしているのですが、いなくなった途端に気が緩むような子どもがいます。極端に保育者に甘えたり、またわがままになったり、乱暴になったりする子どもたちです。こうした姿が見られる場合、家や保護者との関係が子ども本人にとってしんどいものになっている可能性があるのです。だから保護者のいない保育施設で保育者に甘えたり、本来の自分の思いを解き放っているのです。こうした子どもたちの生活はとても大変なものだと思います。家がリラックスの場ではなく、緊張を強いる場となっているのですから。

さて、それらを踏まえて、質問への回答です。ずばり、いっぱい甘えさせてあげてください。大好きなパパやママとの温かい関係性は、子どもの心のパワーの源です。甘えることでエネルギーをチャージしているという感覚でよいのではないでしょうか。もちろん保護者の方にとっても、それが明日への活力になりますよ。

子どもが甘えられる環境を大切にしてあげて

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学び・遊び・教育

大阪教育大学教育学部 教授 小崎恭弘

大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校元校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。

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