わが子を周りと比べるのはもうおしまい! 「発達の多様性」を理解しよう

子どもを見ていると、「どうしてこんなに同じ遊びを繰り返すんだろう」「こんな遊び、意味あるのかな?」そんな風に感じること、ありませんか。けれど実は、遊びの中で子どもは、将来の学びや人間関係を支える、とても大切な力を育てています。今回は、つい親が不安になってしまいがちな「子どもの発達の差」について解説します。
子育てをしていると、「うちの子だけ遅れているのではないか」「周りの子はできているのに」と不安になることがあるかもしれません。しかし、子どもの発達にはさまざまな道筋があります。
今回は、「発達の多様性」という視点から、子どもの育ちについて考えてみたいと思います。
子どもの発達は一直線ではない
私たちはつい、発達を年齢ごとの目安に当てはめて考えがちです。もちろん発達には一定の順序があります。しかし、その進み方は子どもによって異なります。言葉が先に伸びる子もいれば、身体を動かすことが得意な子もいます。人との関わりが得意な子もいれば、一人でじっくり遊ぶことを好む子もいます。発達にはさまざまな道筋があり、それぞれのペースがあるのです。
大人にも得意なことと苦手なことがあるように、子どもにもそれぞれの特徴があります。運動が得意な子もいれば、絵を描くことが好きな子もいます。人前で話すことが得意な子もいれば、静かに観察することが得意な子もいます。すべてを同じようにできる必要はありません。子どもたちは、それぞれ異なる強みや興味を持ちながら成長していきます。
比較が苦しくなる理由
保護者が不安になる理由の一つに「周りと比較してしまう」ことがあります。しかし、発達は競争ではありません。大切なのは、ほかの子とわが子を比べることではなく、その子自身の成長を見ることです。半年前にはできなかったことができるようになっているかもしれません。成長は小さな変化の積み重ねです。
子どもを見るとき、「なぜできないのだろう」と考えると、苦手なところばかりが目に入りやすくなります。一方で、「何に興味があるのだろう」「どんなことに夢中になるのだろう」と考えると、その子らしさが見えてきます。子どもは一人一人が異なる育ち方をする存在です。その違いを理解しようとすることが、よりよい関わりにつながります。

今日からできる視点の切り替え
お子さんの様子を見ながら、「できないことを探す」のではなく、「できるようになったことを探す」ことをしてみてください。例えば、次のようなことでもよいのです。
- 自分で靴を履けた
- お友達に声をかけられた
- 最後まで遊びを続けられた
どんな小さなことでも構いません。小さな成長は、毎日の生活の中にたくさん隠れています。その小さな成長に気づくことが、子どもの育ちを支える第一歩になります。
言葉を換えると、見方も変わる
子どもへの言葉は、その子だけでなく、大人自身の見方にも影響します。「なんでできないの?」と考えると、できないところばかりが目につきます。一方で、「どうしたらできそうかな?」と考えると、子どもの可能性や工夫に目が向きます。言葉を少し変えるだけで、子どもの見え方が変わることがあります。例えば、次のような言い換えが考えられます。
| つい言ってしまう言葉 |
言い換えの例 |
| 「○○ちゃんはできたよ」 | 「あなたはあなたのペースで大丈夫」 |
| 「ちゃんとやって!」 | 「どうやったらできそうかな?」 |
| 「すごいね!」 | 「一生懸命だったね」 |
| 「泣かないで」 | 「悲しかったね」 |
大切なのは、ほかの子と比べることではなく、その子自身を理解しようとすることです。子どもは受け入れられていると感じることで、安心して成長していくことができます。
おわりに
子どもの発達には、一人一人に違った道筋があります。だからこそ、ほかの子と比べるのではなく、その子自身の成長に目を向けることが大切です。「できないこと」ではなく、「できること」に目を向ける。その視点の変化が、子どもの可能性を広げる大きな力になるかもしれません。
次回は「行動には理由がある」をテーマに、子どもの行動をどのように理解すればよいのかについて考えてみたいと思います。
【参考になる情報】
「子どもへのまなざし」佐々木 正美 著(福音館書店)
ナビゲーター


























