赤ちゃんを守るはずの「ベッドガード」が、死亡事故につながることも。正しい知識と対策

赤ちゃんを守るはずの「ベッドガード」が、死亡事故につながることも。正しい知識と対策

赤ちゃんが寝返りをするようになると、「ベッドから落ちたら大変」と、ベッドの脇にベッドガードを取り付けるご家庭は少なくありません。転落を防ぎたいという、赤ちゃんを思う気持ちから選ばれているアイテムです。
ところが、そのベッドガードによって赤ちゃんが命を落とす事故が起きています。今回は、その実態と正しい使い方、そして代わりになる対策についてお伝えします。

ベッドガードとマットレスの隙間で起きている死亡事故

製品の安全性を調査する国の機関・NITE(製品評価技術基盤機構)は2026年6月、ベッドガードとマットレスの隙間に赤ちゃんが挟まって死亡する事故が、過去10年間で4件発生していたと発表しました。

事例の一つでは、2020年1月に兵庫県で生後5ヶ月の男児が、ベッドガードとマットレスの間に挟まって窒息死しています。この製品の説明書には「生後18ヶ月未満の子どもには絶対に使用しない」という注意書きが記載されていました。他にも生後6ヶ月の赤ちゃんが同様の事故に遭ったケースが報告されています。転落から守るためのアイテムによって命が失われているという事実は、まだ十分に知られていません。

なぜ事故が起きるまで気づけないのか

ベッドガードとマットレスは、一見するとぴったりくっついているように見えますよね。でも実際には、赤ちゃんの体が入り込めるだけの隙間ができてしまうことがあるのです。

寝返りやずり這いでその隙間に体が落ち込むと、月齢の低い赤ちゃんは自分の力で抜け出すことができません。先日SNSでも実際に挟まってしまった赤ちゃんの画像が拡散されていたものも目にしました。

しかも、こうした事故の多くは就寝中や目を離しているわずかな時間に、物音もなく起きています。「挟まれば泣いて気づけるはず」と思われがちですが、必ずしもそうとは限らないのです。

パッケージだけを見ると「転落防止に」と書かれているように見える商品もあり、危険性を知らないまま使ってしまうのも無理のないことです。ベッドガードを使っている方を責める話ではなく、この事実がまだ広く伝わっていないことが問題だといえます。

「生後18ヶ月未満は使用不可」が製品の大原則

ベッドガードの安全基準(SG基準)では、生後18ヶ月未満の子どもには使用しないことが明確に定められています。ベッドガードは本来、1歳半以上の子どもの転落を防ぐための製品であり、寝返り期の赤ちゃん向けに作られたものではありません。ここが誤った認識で使用された画像がSNSなどにも掲載されていたりして、最も誤解されやすいポイントです。


消費者庁も、生後18ヶ月未満の乳幼児にはベッドガードを使用しないよう繰り返し注意を呼びかけています。取扱説明書に記載はあるものの、なかなか隅から隅まで読まないことも多いので、伝わりづらいのが実情です。

転落防止は、寝床そのものを見直すことで対応を

「では転落防止はどうすればいいの?」という疑問が浮かぶと思います。方法はいくつかあります。最もおすすめできるのは、ベビーベッドの柵を一番上まで上げて使うことです。ベビーベッドの柵は隙間に挟まらない設計になっているため、転落と挟み込みの両方を防ぐことができます。

すでにベビーベッドを卒業し、大人用ベッドで添い寝をしている場合は、ベッドを撤去して床に布団を直接敷くという方法もあります。高さがなければ、万が一落ちても大きなケガにつながりにくくなります。

ベッドのフレームを片付けるのが難しい場合は、大人はベッドで眠り、赤ちゃんはベッドと壁の間の床に布団を敷いて寝るという方法も選択肢の一つです。

いずれの場合も、生後18ヶ月未満の子どもを高さのあるベッドに寝かせることは避けましょう。

これから購入する場合は「子供PSCマーク」の確認を

一連の事故を受けて、ベッドガードは国が安全基準への適合を義務付ける「子供PSCマーク」の対象製品に指定されました。基準を満たした製品には、このマークが表示されます。

ただし、経過措置として2027年7月7日までは、マークのない製品も店頭やインターネット上に並び続けます。「販売されているから安全」とは限らない期間が、しばらく続くということです。購入の際は、マークの有無とあわせて、対象年齢の表示も必ず確認してください。

知っているだけで、防げる事故があります

ベッドガードで死亡事故が起きているという事実、生後18ヶ月未満には使用できないという原則、そして転落防止は「挟まれない環境」を作ることで対応できるということ。この3つを知っているだけで、売り場で「これはうちの子にはまだ早い」と気づけるようになります。

赤ちゃんを守るために選んだものが、逆にリスクになってしまうのは避けたいことです。この記事が、お子さんの安全な眠りを見直すきっかけになれば幸いです。

ナビゲーター

小児スリープコンサルタント/乳幼児育児アドバイザーねんねママの画像

担当カテゴリー

子どもの健康・発達

小児スリープコンサルタント/乳幼児育児アドバイザー ねんねママ

乳幼児育児アドバイザー。小児スリープコンサルタント。0〜3歳モンテッソーリ教師。株式会社mominess代表。YouTube「ねんねママのもっとラクする子育て情報局」やInstagramなどで乳幼児の育児に関する発信を続け、2024年現在、SNSの総フォロワーは20万人超。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『○✕ですぐわかる!ねんねのお悩み消えちゃう本』がある

&あんふぁんのおすすめ記事がLINEに届く! LINEアカウントを友だち追加!

子どもの健康・発達:新着記事

電子書籍

親子の保育園生活を応援する情報誌