1・2・3歳の発達を解説! 年齢別の成長の目安と関わり方とは?

毎日子育てをする中で、目覚ましく成長するわが子。その成長がうれしい一方で、SNSやAIでさまざまな情報に触れる機会が多い今、「うちの子、発達が遅れているかも?」と心配になることもあるかもしれません。
そんな発達の悩みについて、専門家に聞きました。

※この記事は小学館「ベビーブック2026年10・11月号」の内容を掲載しています

教えてくれたのは

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川上一恵先生

かずえキッズクリニック院長。東京都医師会副会長。日本小児科学会認定医、子どもの心相談医、地域総合小児医療認定医。筑波大学大学院博士課程修了後、茨城県立こども病院などでの研修を経て、2005年、東京都渋谷区にかずえキッズクリニックを設立。地域の頼れる小児科として、育児全般の相談も受け付けている。

信頼できる大人からの無条件の愛が発達の土台を育てる

生まれてから3歳までの乳幼児期は、人生の土台を築く最も大切な時期です。この時期に自分を無条件に愛してくれて守ってくれる、信頼できる大人との愛着関係をつくることが、子どもの「心の安全基地」となります。

心に安全基地がある子は、「おうちの人は絶対に自分を見放すことはない」という自信を育みながら、3歳ごろから少しずつ外に向かって自分の世界を広げていきます。これが、将来的に自立へと向かう力になります。「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、「心の安全基地」は人生の土台であり根っこです。これをなくして健やかな発達はあり得ないのです。

1日10 分だけでも丁寧に接する時間を

それでは、愛着関係を築くためにはどうすればいいのでしょうか。実は、特別難しいことをする必要はありません。子どもを「愛おしい」と感じる気持ちをそのまま「かわいいね」「大好きだよ」と表現する、抱っこを求めたらしっかり抱きしめる、目を合わせて温かい目線で子どもを見るなど、日常の中で丁寧に接することが大切です。

とはいえ、忙しい毎日の中でずっと丁寧に接するのは難しいかもしれません。1日10分だけでもいいので、「子ども中心」に過ごす時間を持つように心がけてみてください。子どもが興味を持ったものを一緒に観察したりお風呂で楽しく遊んだりするなど、子どもの顔を見て真剣に関わる時間が、子どもの心を豊かに育てていきます。

子どもの発達 これ、ホント?

いろんな子育て情報が溢れている今の時代、その情報は本当に正しいのでしょうか? 
発達におけるありがちな「誤解」について、川上先生に聞きました。

子どもの身長は両親の身長だけで決まる?→ウソ

子どもの身長は両親の身長だけで決まる?

身長は遺伝による影響が大きいのは確かですが、両親が小さくても祖父母が大きければ子どもも大きくなる可能性があります。また、栄養、睡眠、運動などの環境要因も影響します。

保育園に通っていると発達が遅れる?→ウソ

保育園に通っていると発達が遅れる?

発達を遅らせるどころか、発達に良い環境です。食事やトイレ、遊びなどで友だちや年上の子の様子を見続けることで自然に学び、「自分もやってみよう」と思うようになるのです。

1歳半健診は準備して臨んだほうがいい?→ウソ

1歳半健診は準備して臨んだほうがいい?

特別な準備は不要です。ありのままの姿を見せてください。気になることや聞きたいことがあれば、事前にメモにまとめておくと、限られた時間で要領よく相談できるでしょう。

1・2・3歳 発達の目安カレンダー

※発達には個人差があります。

1歳

1 歳

・バイバイをする
・欲しいものを指さす
・ひとりで立つ
・容器の中にものを入れる
・大人のマネをする
・「どうぞ」などのもののやり取りをする
・コップで飲む

・ものを拾う
・なぐり書きをする
・「これとって」などの簡単な指示に応えてくれる
・ひとりで上手に歩く
・容器の中にあるものを取り出す
・意味のある単語を一語言う
・積み木を2つ積む
・後ろ歩きをする

1歳 6か月

・「マンマ」「ブッブ」など意味のある単語を2〜3語言う
・スプーンを使う
・走る
・ものを見立てて遊ぶ
・積み木を4つ積む

1歳児ってこんな時期

できることが増えてコミュニケーションが始まる

ハイハイや歩行ができるようになって行動範囲が広がり、おうちの人から少し離れて行動する時間も出てきます。手指の発達も進み、食事や着替えなど日常生活でもできることが増えるだけでなく、遊びの種類も増えていきます。また、単語が出てきて、言葉でのコミュニケーションが始まります。

やりたい気持ちと甘えたい気持ち どちらも尊重しよう

自分でできることが増える一方で、まだまだ甘えたい時期でもあります。食事や着替えなどで子どもが「やって!」と主張するときは、無理にやらせるのではなく手伝って構いません。
そして、自分でやりたいという態度を見せたときは、できるまでじっくり待てるといいですね。子どもの気持ちを尊重しましょう。

2歳

・はがしてもらったシールを貼る
・階段を上る
・ボールを蹴る
・人形などに食べさせようとする
・絵を見て「ワンワンどれ?」と聞くと指でさす
・自我が芽生え、自己主張が出始める
・上着を脱ぐ
・手を洗って拭く
・片手でボールを上手投げで投げる
・「ワンワンきた」などの二語文が出る
・シールを自分ではがして貼る

2歳6か月

・両足をそろえてジャンプする
・「自分で決めたい」という欲求が強くなり、自己主張がさらに激しくなる
・積み木を8個積む

2歳児ってこんな時期

なんでも自分でやりたい!と自己主張が強くなる

自我が芽生えて、自分で決めたい、自分でやりたいという気持ちが強まります。一方で自分の気持ちを言葉で伝える力は未熟なので、何でも「いや!」と主張することが増えます。これがいわゆる「イヤイヤ期」です。あまりの「イヤイヤ」に悩まされますが、その自己主張も成長の証なのです。

安全に選択できる環境と声かけを

2歳児は自分で決めたがる時期です。靴や服、お菓子など、2~3程度の選択肢を用意して「今日はどれにする?」と自分で選べる環境を用意するといいでしょう。日常の中での「自分でできた」という経験の積み重ねが探究心や知的好奇心の土台になるだけでなく、自立への自信につながります。

3歳

3歳

・色の名前をひとつ言える
・友だちの名前がわかる
・1秒間片足立ちができる
・両足で幅跳びができる
・高いところへよじ登る
・三輪車をこぐ
・おうちの人や友だちとごっこ遊びで遊ぶ
・自分の名前を言う
・「ママおやつとって」など三語文が出る
・乳歯が20本生えそろう

3歳児ってこんな時期

外の世界へ踏み出す時期 好奇心とチャレンジ精神が旺盛に

おうちの人との信頼関係を安全基地にしながら、外の世界に目が向き始める時期です。同じくらいの年齢の子に興味を持ち始め、並んで遊ぶようになります。言葉も達者になり、意見を述べたり、ルールを理解できたりするようになります。おうちの人から離れても安心して集中して遊べる時期です。

意見を聞きながらディスカッションを大切に

言葉がどんどん増えて言語コミュニケーションが活発になるので、子どもとディスカッションすることを大切にしましょう。その際、子どもの意見をおざなりにしないこと。ダメな場合はその理由を説明することが大切です。この積み重ねが思考力や論理的に伝える力を育みます。

1・2・3歳の発達に伴うおままごと遊びの変化

幼児期は発達によって遊びが変わっていきます。「おままごと遊び」を例に、時期によってどのように変化していくのかを見てみましょう。

1歳半ごろ〜

ものを見立てて遊ぶ

お手玉を「みかん」「おむすび」に見立てるなど、目の前のものを別のものに見立てて遊ぶ「見立て遊び」ができるようになります。「今ここにないもの」を頭の中に思い描く力が育っていることの現れであり、この後に続く「ごっこ遊び」の土台になります。

2歳ごろ〜

大人とやりとりしながらごっこ遊びをする

大人と関わりながら「ごっこ遊び」が始まります。「ご飯を食べる」「寝かしつける」「電話で話す」など、日常のワンシーンをマネしながら遊ぶようになりますが、ストーリーはなく、一緒に遊ぶ大人の反応を喜んでいます。

2歳半ごろ〜 3歳ごろ

ストーリーがあるおままごと遊びができるようになる

おままごと遊びの中にストーリーが生まれてくる時期です。日ごろの生活経験からストーリー性を身につけていきます。自分がコックさんになって料理を作ったら、そのままお客さん役になるといったように、一連の流れをひとりで演じて遊ぶことを楽しむ時期です。

4歳・5歳ごろ〜

友だちに興味を持ち、一緒に遊び始める

友だちとの間で役割分担が始まります。「私はお母さん」「私はペットのネコちゃん」などとそれぞれに役を決め、友だちと協力して遊べるようになっていきます。

発達が遅れているかも? どうしても気になるときは

発達には個人差があるので、カレンダーはあくまでも目安です。ただし、どうしても気になるときは、まずかかりつけの小児科医に相談しましょう。地域の療育センターや児童発達センター、保育園に通っている場合はベテランの保育士さんにも相談できます。

発達に遅れがあってもそれは「発達障害」ではなくその子の「発達特性」と捉え、早めに対処することで子どもが生きづらさを感じないような手段を教えられることがあります。気になることがあれば、ひとりで悩まず専門家に相談してみましょう。

イラスト/熊本奈津子 デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/ KANADEL

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この記事は小学館「ベビーブック10・11月号」の内容を掲載しています

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